「口角を上げる」とは?セルフチェックしてみよう
口角によって、見た目の印象は大きく変わります。まずは、口角によって、どのように印象が変わるのか見ていきましょう。
口角が上がるとは「唇の両端が上を向いている状態」
口角が上がっている状態のときは、唇の両端が上を向いています。一方、口角が下がっている状態のときは、唇の両端が下に向いて「への字型」になっています。
口角の上がり方に差があるのは、口角の位置が口元の表情筋によって左右されているからです。代表的な表情筋は以下の3つです。
大頬骨筋:唇の端付近から頬まで伸びている筋肉。口角を斜め上外側に引き上げる役割がある
口角挙筋:上あごの犬歯あたりから上に伸びていて、小鼻の周辺まである筋肉。口角を上げる役割がある
口角下制筋:下唇の両側からあごのラインにある筋肉。奥歯を噛むときに使用される筋肉であり、口角を下げる役割がある
食いしばりや歯ぎしりの癖がある方は、大頬骨筋や口角挙筋よりも、口角下制筋の方が発達している可能性があります。
表情筋の使い方によっても印象が変わる口角ですが、上がり下がりによってその人の雰囲気がガラリと変わることがあります。
たとえば、口角が上がっていると、「笑っている」「楽しそう」「幸せそう」という印象を与えやすいものです。一方、口角が下がっていると「怒っている」「悩んでいる」「不機嫌そう」とマイナスな印象を与えがちです。
このように、口角が上がっている方がまわりから受け入れてもらいやすく、本人も精神的にポジティブになれるでしょう。
自分の口角を鏡でセルフチェックしてみよう
口角を確認するために、鏡で自分の表情を観察してみましょう。理想的な笑顔は、口角が左右バランスよく上がり、上の前歯が8本見えている状態です。この状態をキープできるように、鏡を見ながら口角を上げるように意識しましょう。
口角を上げようとしても上向きにならないときは、横に引っ張られているだけかもしれません。口角が上がらないときは、正しく筋肉が使えていないため、後ほど紹介する表情筋の鍛え方を参考にしてみてください。
口角が下がる原因
さまざまな原因で、口角は徐々に下がっていきます。口角が下がる主な原因を紹介しますので、当てはまる点がないか確認してみてください。
筋肉の衰え
口角を上げるためには、筋肉が必要です。口角まわりの筋肉には、口輪筋(こうりんきん)、口角挙筋(こうかくきょきん)、翼突筋(よくとつきん)、広頸筋(こうけいきん)があります。
体の筋肉は加齢にともなって衰えていきますが、口角を支える筋肉も同様です。放っておくと徐々に衰えるため、口周りの筋肉の衰えにともなって次第に口角も下がってくるのです。
姿勢が悪い
姿勢が悪いと、口角下制筋(こうかくかせいきん)という口角を下げる筋肉が下へと引っ張られるため、口角もたるみます。
・猫背
・デスクワークで長時間下向きの姿勢でいる
・スマホをいじっていることが多い
これらの中から当てはまる点があれば、口角が下がっている原因は悪い姿勢にあるのかもしれません。
口呼吸
人は本来、鼻呼吸をするのが自然な状態です。しかし、風邪や花粉症などの影響で鼻呼吸をするのが難しく、口呼吸になる人も増えています。
口呼吸をしているということは、常に口がぽかんと開いた状態にあるということです。口周りの筋肉がゆるみっぱなしになるため、筋肉が衰えて口角が下がりやすくなります。
噛む回数が少ない
噛むときは口周りの筋肉を使います。つまり、食べるときによく噛めば、自然と口周りの筋肉を鍛えることができるのです。しかし、噛む回数が少ないと、筋肉をあまり使わないので筋肉が衰え口角が下がりやすくなります。
近年では柔らかい食べ物が増えたことで、あまり噛む必要がなくなりました。このことも、口角が下がりやすくなっている原因のひとつと考えられます。
今日からはじめられる口角を上げるトレーニング方法
筋肉の衰えなどで下がった口角は、トレーニングやマッサージで上げることが可能です。口角を上げるためにできることを紹介します。
口まわりの表情筋トレーニング
衰えた口周りの筋肉を鍛えて、上向きの口角を目指しましょう。以下に紹介するのは簡単にできるトレーニングばかりなので、スキマ時間などを使ってやってみてください。
・割り箸トレーニング
割り箸を使った簡単なトレーニングです。意識して口角を上げることで、自然に上がった口角を目指します。
1.割り箸を加えて「い」のような口の形にして、口角を上げる。
2.1の状態を30秒間キープ。
3.1~2を何度か繰り返す。
口角を横に広げるのではなく、上にグイッともち上げるようにするのがコツです。家でテレビを見ているときなどにやってみましょう。
・アヒル口トレーニング
唇をアヒル口にして、口輪筋を鍛えるトレーニングです。
1.両手の人差し指と親指を使って、唇全体をつまむ。
2.口角を内側に引き寄せながら上げて、アヒル口のような形にする。
3. 2の口の形のまま3~5秒間キープする。
4.何度か繰り返す。
・舌を動かすトレーニング
舌を出して動かすと口周りの筋肉を鍛えることができます。
1.舌を出して上に向かって伸ばす。
2. 1の状態を5秒程度キープする。
3.舌を下に向かって伸ばす
4.3の状態を5秒程度キープする。
5. 1~4を3~5セットを目安に繰り返す。
舌を動かすトレーニング
顔の筋肉がこわばって伸縮性が低下すると、口角が下がったままになってしまいます。マッサージで、筋肉のコリを取り口角の引き上げをサポートしましょう。
・下半顔マッサージ
口周りの筋肉をほぐして、コリを取るのに効果的なマッサージです。
1. 人差し指と親指を使って頬を小さくつまんでいく。
2.手をグーにして人差し指の第2関節を小鼻のわきに当てる。
3.小鼻~耳の手前に向かって第2関節でグリグリとコリをほぐしていく。
4. 人差し指の第2関節を噛み合わせ部分に置き、小さな円を描きながらマッサージする。(10回)
5.口の中で舌を大きくぐるりと回す。(右回り・左回り各5回ずつ)
6.中指を使って口角をプッシュし、そのまま少しずつ位置を下げながらあごまでプッシュしていく。
7. 手を開いてヤッホーの形にし、顔の中心から外側に向かって手を滑らせて老廃物を流す。(5回)
8.耳の前に手を置き、そこから首筋に沿って鎖骨まで手を滑らせ老廃物を流す。鎖骨まできたら、そこをプッシュする。(3回)
・頭筋マッサージ
頭の筋肉をしっかりともみほぐすと、血流が良くなり、フェイスラインも引き上がります。口角アップを目指して、習慣にしてみましょう。
1.両手の指を使って、頭皮をプッシュするようにしてマッサージする。髪の生え際→こめかみ→頭頂部→後頭部の順に気持ち良い強さで行う。
2.手を開いて手のひらの下の部分をこめかみに当てる。目じりが上がるくらいに上に向かって伸ばす。(5~10秒)
3.手をグーにしてグルグルと小さな円を描くようにマッサージする。1と同様に、髪の生え際→こめかみ→頭頂部→後頭部の順にマッサージ。
4.最後に両手の親指と人差し指で耳を挟み、手のひら全体で上にグーッと引き上げる。(5~10秒)
このように、口角を支える筋肉を鍛えるトレーニング、マッサージを習慣にすると、キュッと上がった口角が目指せます。
しかし、トレーニングやマッサージを始めたものの「続かない」「面倒に感じる」という方もいるかもしれません。そんな方は、エステに通うのもひとつの手です。
エステならプロの視点からトレーニングのコツや毎日のケア方法をアドバイスしてもらえるので、なかなかうまくいかないときは相談してみましょう。
ナチュラルにカバー!口角が上がって見えるメイク方法
メイクを工夫すると、口角が自然と上がっているように見せることができます。簡単にできるメイクテクニックを紹介しますので、お試しください。
リップを立体的に入れてボリュームアップ
下がった口角を上がっているように見せるリップメイクです。
1. 口周りの黒ずみをコンシーラーで隠し、肌になじませる。
2.リップライナーを使って口角部分に「く」の字をかく。(口角が上がって見えるようにかくのがコツ)
3.リップを唇全体に塗る。輪郭よりも少し広めに塗ってボリュームを出す。
4.上唇にはハイライトを入れて立体感を出す。
頬骨舌の斜めチークでリフトアップ
チークは口角とは直接関係しないように思えるかもしれません。しかし、入れ方によっては、顔全体が下がって見えることもあるため、入れ方にこだわることが大切です。
口角が上がっているように見せたい場合は、チークは頬骨の少し下の位置に斜めに入れましょう。そうすることで、リフトアップが狙えますよ。
口角を上げる生活のポイント
口角はすぐに上がらないため、根気強く取り組むことが大切です。難しい方法では、継続しにくい場合もあるでしょう。そこで、生活の中で手軽に取り入れられる、口角を上げるポイントを紹介します。
表情を意識する
日常生活の中で簡単にできる方法は、表情を意識することです。口角を上げる筋肉を鍛える方法もありますが、笑顔を作れば表情筋全体を動かすことができます。
普段、人とあまり話さない生活をしていると、表情筋が衰えやすいため注意が必要です。人と話すときは、意識して笑顔を作るようにしましょう。
また、ひとりで過ごすときでも、なるべく口角を上げるように意識してみてください。口角を上げるよう心がけることで、口角を上げる習慣が身につきます。
鏡を見ながら自分の表情をチェックすると、客観的に観察できるのでおすすめです。
食事のときはよく噛む
食事をするときによく噛んで食べると、口元の筋肉が鍛えられます。1回につき30回噛むことを心がけましょう。
咀嚼回数を増やす工夫として、歯ごたえのある食べ物を献立に取り入れることもおすすめです。たとえば、以下のような噛む回数が多くなる食材や料理を選んでみるのも良いでしょう。
・こんにゃく
・れんこん
・りんご
・いか
・たこ
・ステーキ など
また、おやつはケーキなどの柔らかいものではなく、噛みごたえのあるお菓子に変えるのも良い方法です。
・おかき
・ガム
・するめ
・梅昆布
・ハードグミ など
よく噛むことは、表情筋を鍛えるだけでなく、食欲抑制や老化防止にもつながるメリットもあります。
正しい姿勢を意識する
猫背気味の方は、正しい姿勢を意識するだけでも大丈夫です。パソコンに集中していると、無意識に首が前に突き出る姿勢になっていることがあります。
パソコンを使うときは、姿勢を正して首を突き出さないように意識することが大切です。スマートフォンは、顔の位置にまで上げてから、下を向かずに使うようにしましょう。
口角を上げる習慣づけとして、画面を見ながら口角を上げるトレーニングをすることも有効です。
ストレスをため込まない
ストレスで頭がいっぱいだと、表情も暗くなり、自然と口角が下がってしまいます。口角を上げるためには、ストレスを溜めないことも大事です。
ストレスを発散し、物事をネガティブに考えないで前向きに過ごしましょう。特に、言葉から受ける影響は大きいので、意識してポジティブな言葉を発してみると良いかもしれません。
自然と口角が上がって、笑顔で過ごせるような生活を心掛けてみてください。
まとめ
口角が下がっていると、老けて見えるだけでなく、つまらなそうに見えたり、暗い印象を与えたりすることがあります。
しかし、口角が上がるだけで、顔の印象は大きく変わります。若々しく元気な雰囲気になりますし、幸せそうに見られることも増えるでしょう。
顔の筋肉を鍛えるトレーニングやマッサージを習慣にすれば、下がった口角を徐々に上げることが可能です。自分の力だけでは難しいときはエステに通うなどして、上がった口角を目指してみてください。