首のたるみができる原因
首は皮膚が薄く、シワやたるみができやすい部分です。首のシワやたるみは年配の方が抱えやすい悩みのイメージがありますが、若い方にできることもあります。首のシワやたるみができる原因は、内的要因と外的要因があります。
ここでは、首にシワやたるみができる主な原因を6つ紹介します。
紫外線
多くの方が知っているとおり、紫外線は肌に悪影響を及ぼします。紫外線を浴びた肌は、乾燥しやすくなるほか、真皮層にある繊維状のタンパク質「コラーゲン」を切断してしまうのです。
コラーゲンが切断されると、コラーゲンを支える役割を担っている「エラスチン」が変性するため、皮膚の弾力が失われてしまいます。弾力がなくなれば、当然たるみやシワとなって表面に出てきてしまうのです。
乾燥
首の皮は、目元の皮膚と同じくらい薄く、水分を保ちにくい部分でもあります。顔と同じようにスキンケアをしていても乾燥しやすいため、シワやたるみが出てきやすいのです。
特に、空気が乾燥している冬場は、いつも以上に入念な保湿ケアが重要といえます。部屋に加湿器を設置して乾燥を防ぐほか、水分の蒸発を防ぐように心掛けましょう。
姿勢
首のたるみは、普段の筋肉の使い方も関係しています。近年、パソコンでのデスクワークや、スマホの影響で首にストレスがかかっている方も多いのではないでしょうか。
うつむきがちな悪い姿勢のまま、長時間キープしていると、首の横ジワやたるみの原因になります。特に、あごを引くような姿勢は要注意です。
あごを引くと、誰でも首にシワが寄る状態になります。この状態が長時間続けば、シワがそのまま残る可能性も否定できません。
また、身体に合わない寝具を使っていることも首のたるみやシワの原因となります。首に合わない高い枕や低い枕を使っていると首にシワが寄ります。その状態で毎日寝てしまうことで、シワが次第に深く刻まれて定着してしまうのです。
筋力の衰え
首にできるシワやたるみは、あご下から首、胸までひろがる広頚筋(こうけいきん)という筋肉の衰えも関係しています。広頚筋が衰えると顔の皮下脂肪を支える力が弱くなり、首の皮膚とフェイスラインがたるみやすくなります。その結果、シワが生じてだんだんと目立つようになってしまうのです。
また、顔の表情筋とスマス筋腱膜の衰えも、首のたるみにつながります。スマス筋腱膜とは、顔の皮下組織と表情筋との間にある薄い筋膜のことで、皮膚と脂肪を適切な位置に保つはたらきをしています。
表情筋やスマス筋腱膜が衰えると顔の脂肪を適切な位置に保つことが難しくなります。その結果、顔の脂肪がだんだんとあごに落ちてきて、たるみを引き起こしてしまうのです。
筋肉の衰えは加齢だけでなく、姿勢の悪さも影響します。そのため、日常的に悪い姿勢を取っている若い世代の方も、首にたるみが生じるケースは珍しくありません。
間違ったスキンケア
顔や首をきれいにしたいからといって、ゴシゴシとこすりながら洗っていませんか?肌は強い刺激を受けると、シワやたるみが生じたり悪化したりします。そのため、顔や首は泡で洗うイメージで、強くこすらないようにしましょう。
また、首のスキンケアを怠っている場合も、乾燥からシワやたるみにつながります。スキンケアは顔のみ、という方は注意しましょう。
加齢
首のたるみやシワにもっとも影響を与えるのが加齢です。人は年齢を重ねると、血流の低下や水分・油分の減少、皮膚のターンオーバーの乱れ、コラーゲンの減少などが生じます。結果、肌の衰えにつながり、シワやたるみが生じやすくなるのです。
首のたるみをケアするマッサージ方法
首のセルフマッサージは、たるみやシワを目立ちにくくしたり予防したりする効果が期待できます。5つのステップに分けてご紹介するので、仕事や家事などのスキマ時間にやってみましょう。
1.首を軽く回す
まずは、首を軽く回しましょう。首の筋肉の伸びを感じながら、ゆっくりと回していきます。右まわしを10回行ったら、左まわしを同様に10回行いましょう。
2.フェイスラインをなでる
顔の血流とリンパの流れを良くするために、フェイスラインをなでます。老廃物を流すイメージで行いますが、強い力は必要ありません。やさしく丁寧にフェイスラインをなでるようにしましょう。
3.耳の周りをほぐす
耳の周りの筋肉も首のたるみに影響を与えるので、筋肉をほぐすようにマッサージしましょう。また、耳の近くには血流アップの効果が期待できるツボもあります。ツボを刺激するように、やさしい力で指圧しながら耳周りをほぐしてみてください。
4.鎖骨に向かってリンパを流す
耳周りをほぐしたら、今度は鎖骨に向かってリンパを流すようにしましょう。リンパを流すことで、むくみ解消にもつながります。
5.胸鎖乳突筋と広頚筋をのばす
最後に鎖骨のつけ根から首のサイド、耳下までつづく筋肉胸鎖乳突筋と広頚筋をのばします。顔を上げて目線を天井に向け「いー」と発声してみましょう。
首のたるみをケアするストレッチ方法
首のたるみができてしまっても、ストレッチを習慣化することで目立ちにくくなったり、これ以上深刻化するのを防いだりすることにもつながります。
ここでは、簡単にできるストレッチを紹介しますので、ぜひ就寝前や起床後などに取り入れてみてください。
舌伸ばし
1.頭を後ろに倒してあごを上げ、首がピンと張る体勢に整えます。もし、首が痛い場合は、無理して頭を倒さなくても大丈夫です。あごをできるだけ突き出して、首の皮が張るように意識しましょう。
2.その状態のまま、舌を天井に向かって伸ばします。このとき、舌に力を入れて舌先が三角になるように意識しましょう。喉の奥からできるだけ舌を伸ばせるように、グッと上に伸ばします。
3.そのまま10秒キープして、1セット終了です。1日1セットから始めて、慣れてきたら3セットを目標にトライしてください。
舌伸ばしのストレッチは、首のたるみだけでなく、顔のたるみの改善にも効果を発揮します。寝る前や朝の体操として積極的に取り入れ、たるみ改善をしていきましょう。
広頸筋を鍛えるストレッチ
広頸筋とは、口から首全体に広がる筋肉のことです。広頸筋が衰えると、顔や首のシワ、たるみにつながります。筋肉は、使わないと衰えてしまうので、意識的に広頸筋の筋トレを行いましょう。
1.背筋を真っすぐ伸ばし、顔を前に向けて正しい姿勢を作ってください。
2.口角を上げて、首に力を入れましょう。「ひっ」と声を出しながら力を入れるとやりやすいです。首に縦の筋が立つように、意識してください。
3.その状態で口を横に広げ「ひっひっひー」と声を出します。
4.力を抜いて、リラックスしましょう。これで1セットが完了です。
このトレーニングは、5セットを目安に始めてみましょう。慣れてくれば頑張って10セットに増やします。
肩甲骨のストレッチ
肩甲骨は、上腕二頭筋や上腕三頭筋、三角筋など、多くの「抗重力筋」によって支えられています。抗重力筋とは、正しい姿勢を保つために私たちが日常で無意識に使っている筋肉のことです。
肩甲骨は首とは関係ないと思われがちですが、肩甲骨まわりの抗重力筋が衰えると、猫背が定着してしまい、それが首のシワやたるみの原因につながってしまうのです。
ストレッチをして抗重力筋を動かし、首のシワやたるみを改善しましょう。
1.あぐらをかいて床に座った状態で、体の後ろで両手を組みます。
2.そのまま、真下に腕を伸ばしていき、ピンと張ったところで6秒間キープしましょう。
3.腕を真下に伸ばしたまま、左右に10回ほど腕を振ります。このとき、無理して大きく腕を振らず、5cm程度の振り幅でOKです。これを1セットとし、10回程度繰り返すようにしましょう。デスクワークの方や猫背気味の方は、こまめに肩甲骨のストレッチをするのがおすすめです。縮こまっている姿勢が伸び、首のシワやたるみが改善していきます。
首のたるみが気になるときは生活習慣の改善も重要!
首のたるみは生活習慣も大きく関係しています。首のたるみを改善したい方はもちろん、予防したい方もぜひ行ってみましょう。
首のスキンケアを徹底する
首も顔と同じように、積極的なケアが必要です。先ほども紹介したように、首の皮は目元の皮膚と同じくらい薄く、水分を蓄えにくい場所でもあります。首からデコルテまでを顔として、毎日スキンケアをするようにしましょう。
洗顔で汚れを落とし、化粧水と乳液でしっかり保湿をして、さらに保湿クリームを塗り込むなど、丁寧な肌ケアは必須です。洗顔をするときはこすらず、泡でやさしく洗うようにしましょう。スキンケアでは、首やデコルテ専用クリームを使うのもおすすめです。
また、保湿と同じくらい大切なのは紫外線対策です。夏だけではなく、1年を通して紫外線対策を心掛けるのが望ましいでしょう。
スカーフを首に巻く、日焼け止めクリームを塗る、紫外線が強い日はできる限り屋内で過ごすなどして、紫外線によるダメージから守る意識を持ってください。
姿勢を改善する
首のシワやたるみが固定しやすい、NG習慣を改善することも大切です。NG習慣の中でも無意識に行ってしまうのが姿勢の悪さです。
・長時間下を向いて作業をしている
・猫背、あごを引いた姿勢
・脚を組む
・頬杖をつく
・鞄をいつも片方の肩にかける
上記の習慣に心当たりがある方は、改善を目指しましょう。姿勢によるつらさはストレッチをすることで軽減することができます。
また、普段使っている寝具を見直し、自分の身体に合った枕の高さ、マットレスの硬さのものを使うようにしましょう。
食事の内容を見直す
首のたるみの原因として紫外線が挙げられますが、中には肌が弱く頻繁に日焼け止めクリームが使えなかったり、仕事の都合上、完璧な紫外線対策が難しかったりする方もいるでしょう。
そんなときは、抗酸化成分やたんぱく質など肌によい栄養を積極的に摂るようにしましょう。抗酸化成分は、紫外線による肌のダメージを軽減してくれる作用があるといわれています。
抗酸化成分は、ビタミンC・ビタミンE・ポリフェノール・βカロチン・リコピン・ターメリック・フラボノイドが当てはまります。
レモンやアセロラなどの果物やかぼちゃ、ナッツ類などを積極的に摂取して、紫外線によるダメージから肌を守りましょう。
たんぱく質は、肌のもととなる成分です。積極的に摂取することでハリを保ちやすくすることができます。たんぱく質は、肉類や魚、大豆などに多く含まれているので意識して摂取するようにしましょう。
まとめ
首のたるみは、放置していると取り返しがつかないたるみへと変化してしまいます。食事や生活習慣を見直して、1日でも早くケアするようにしましょう。