下っ腹が出てしまう原因とは
「下っ腹」とは、おへその下から恥骨までをいいます。ウエストはそれほどでもないのに、下っ腹だけがポッコリと出てしまうのに悩む人は多いでしょう。
まずは、下っ腹が出てしまう原因4つを見ていきましょう。
内臓脂肪の蓄積
下っ腹がポッコリと出てしまう原因でまずあげられるのは、内臓脂肪の蓄積です。
お腹まわりにつく脂肪には、指でつまめる皮下脂肪と、大腸や小腸といった消化器官まわりに付着する内臓脂肪の2種類があります。ポッコリと出ているのは、内臓を支える腸間膜付近にいつの間にか蓄積した、目に見えない脂肪です。
運動不足のほか、脂質の摂りすぎや偏った食生活をしていると、内臓脂肪がつきやすくなります。内臓脂肪型の肥満は男性に多く、生活習慣病のリスクも高まるため注意が必要です。
筋肉の衰え
お腹まわりの筋肉の衰えも、下っ腹がポッコリと出る原因のひとつです。
お腹まわりには骨格がなく、腹直筋・腹斜筋・腹横筋の3つの筋肉が、腸間膜とともに内臓を支えています。ところが、運動不足や加齢によって筋肉が衰えると内臓の位置が下がり、押されて下っ腹が突き出てしまうのです。
筋肉が衰えてしまうと、内臓脂肪を減らしてもポッコリお腹は改善しません。お腹の筋肉、とくにインナーマッスルを鍛える必要があります。
便秘
腸内環境が悪化して便秘になると、下っ腹がポッコリと出てしまうことがあります。血流が悪くなって体がむくみ、腸の中でガスが膨張した状態です。
便秘は、食生活や生活リズムの乱れが原因で引き起こされます。体型が崩れるだけでなく、腹痛や食欲不振などにもつながりやすいため、予防が第一です。水分不足から便秘になることもあるため、積極的に生活の見直しをしてください。
冷え
人間の体は冷えると、下っ腹に脂肪が溜まりやすくなる仕組みになっています。体が冷えると代謝が低下して消費カロリーが少なくなり、余ったエネルギーが体脂肪として蓄積されてしまうためです。
また、冷えによって生じるむくみもダイエットには大敵です。代謝を上げて体を温めるために筋トレで筋肉をつけたり、冷たい食べ物や飲み物をできるだけ控えたりするなどの工夫をしましょう。
骨盤の歪み
骨盤の歪みも、下っ腹がポッコリと出る原因のひとつです。これは筋肉の衰えと同様の理屈で、悪い姿勢をとり続けていて骨盤が歪むと内臓が下がり、下っ腹が突き出てしまうからです。
骨盤が歪むと血行不良や不妊のリスクも高まるため、とくに女性は注意が必要です。足を組む癖がある人は、早めに姿勢の改善を目指しましょう。
下っ腹痩せに効果的な方法【食事編】
原因が内臓脂肪にある場合は、食生活を見直す必要があります。とはいえ、内臓脂肪の場合は、ただ摂取カロリーを減らせば良いというわけではありません。
ここでは、下っ腹痩せに効果的な食事の仕方を紹介します。
摂取カロリーに気を付ける
下っ腹の改善では、カロリーの摂りすぎに注意が必要です。体が消費しきれないカロリーは、脂肪として内臓に蓄積します。逆に、極端にカロリー制限をすると日中の活動に支障がでるため、ちょうど良いバランスをキープしましょう。
体格や年齢、活動量によって左右されるものの、成人女性に必要な1日のカロリーは1650~1750kcalが目安です。自分のBMIと基礎代謝も把握しておき、無理のない範囲でカロリー制限をしてください。
必要な栄養素を摂取しながら健康的に痩せるためには、高カロリーで糖質・脂質がたっぷり含まれているおやつには注意しましょう。
絶対に禁止する必要はないものの、習慣化していると摂取カロリーをオーバーさせてしまうことがあります。もしおやつを食べたい場合は本当にお腹が空いたときだけ、もしくはカロリーが低いお菓子を摂るようにしましょう。
栄養バランスの良い食事をする
栄養バランスの良い食事も大切です。脂質を摂りすぎると内臓脂肪がつきやすいため、揚げ物料理は控えめにしましょう。
その代わりに、野菜を多めに摂るのがポイントです。野菜に含まれる食物繊維は腸内環境を改善し、便秘解消をサポートするはたらきを持ちます。
また、たんぱく質を多めに摂ることも大切です。たんぱく質は、お腹まわりの筋肉を作るのに欠かせない栄養素であるため、肉や魚、卵をバランス良く食べるようにしましょう。
ゆっくりよく噛んで食べる
食事の際には、ゆっくりよく噛んで食べるように心がけましょう。よく噛んで食べると早食いを防止できます。
食事に時間をかけると、食欲を抑えるホルモンが増えて食べる量をセーブできたり、インスリンの分泌量が抑えられて脂肪がつきにくくなったりする効果が期待できます。効率よく痩せるためには必ず押さえておきたいポイントです。
朝食はしっかり食べる
たまの夜更かしでも、人間の体内時計は簡単に狂ってしまいます。体のリズムが乱れていると翌日からの食欲が増し、さらにはエネルギー消費量が減ってしまうため、脂肪をため込みやすい体質に変化する場合も。
痩せやすい体作りのためにも、起床時間と就寝時間をできるだけ固定し、規則正しい生活を送りましょう。
また、活動を始める朝に良質なタンパク質や糖質を摂取すれば、一日の代謝が上がり、体温上昇にもつながります。朝ごはんをしっかりバランスよく食べて、活動モードのスイッチを入れてみましょう。
夜遅くに食べない
本来は18時頃までに夕食を終わらせるのが理想ですが、仕事によっては難しい場合もあります。遅くとも寝る2~3時間前までに食事を済ませるようにしましょう。
脂肪をため込むはたらきのあるビーマルワンと呼ばれる細胞は、22時~午前2時の間に最も多くなり、体は脂肪を貯蓄するモードに切り替わります。
そのため夜間に食べ物の消化が不十分だと、ビーマルワンの働きによって脂肪をため込んでしまうため、太ってしまうのです。
夕食はできるだけ早く済ませるよう心掛け、どうしても遅くなってしまった場合には消化の良い食べ物を選びましょう。
下っ腹痩せに効果的な方法【運動編】
下っ腹の改善には、運動もおすすめです。お腹まわりのトレーニングで蓄積した内臓脂肪を減らし、筋肉量を増やして内臓を正しい位置で支える、ふたつの効果が期待できます。
それでは、下っ腹痩せに効果的なトレーニング方法を見ていきましょう。どれも機材を必要としないので、ぜひご自宅での運動習慣にしてください。
ドローイン
ドローインは、お腹まわりのインナーマッスルを鍛えるのに有効です。簡単なので、運動が苦手な方もぜひ取り組んでみてください。
■ドローインの手順
1.布団の上に仰向けで、両膝を立てる
2.腹式呼吸で息を吸いながら、お腹をしっかりへこませる
3.お腹をへこませたままゆっくり浅く呼吸をして、10~30秒キープする
4.脱力して1~3を5回、2セットを目安に繰り返す
手を当てながらお腹をへこませると、筋肉の動きを把握しやすいのでおすすめです。体の正面だけでなく、横の腹筋もへこませるように意識しましょう。
折り曲げた両膝は、くっつかないように少し離すのがポイントです。立った姿勢や座っているときでも同様のトレーニングができるため、家事の合間や通勤途中などにも試してみてください。
プランク
プランクは、うつ伏せになって姿勢を支えるトレーニングです。一見簡単に見えて、体重を支え続けるのは意外と難しいため、腹横筋を鍛えるのに役立つでしょう。
■プランクの手順
1.布団の上で、肩が真上に来るよう両肘をつく。
2.頭から背骨、腰、脚までを真っ直ぐ伸ばし、両手の肘から上と両つま先で体を支える
3.首をあげて、ゆっくりと呼吸をしながら15~30秒姿勢をキープする
4.ゆっくりと体をおろしてうつ伏せになり、5秒休憩する
5.1日5~10回を目安に、1~4を繰り返す
プランクでは、お尻の位置を保てないと期待した効果は得られません。体を一直線にするイメージで伸ばしましょう。
お尻の位置をキープするには、腹筋に負荷がかかります。最初のうちは難しいものの、繰り返すうちに筋肉がついて姿勢を維持しやすくなるため、頑張って取り組みましょう。
レッグレイズ
レッグレイズは、腹直筋と腸腰筋を鍛えるのに有効なトレーニングです。下っ腹を引き締めるだけでなく、姿勢の改善にも役立つため、ぜひ日常のトレーニングに取り入れてください。
■レッグレイズの手順
1.布団に仰向けに寝て、両手は体の横に自然に伸ばす
2.両足は伸ばしたままそろえ、腰が反らないようにゆっくりと床に垂直になるまで持ち上げる
3.1~2秒キープしてからゆっくり両足をおろし、床の少し上で止める
4.両足を浮かせた状態から2~3を15回繰り返す
レッグレイズで腸腰筋を鍛えると体幹が安定し、内臓の位置が整うため、ぽっこりお腹の解消が期待できます。両足をそろえて上げにくい場合は、ボールやクッションを内腿にはさむと良いでしょう。
お腹のストレッチ
お腹のストレッチは、腹筋を伸ばしてほぐすのにおすすめです。筋肉を柔軟にして血行を促進すると代謝が向上し、痩せやすくなります。あわせて姿勢の改善も目指しましょう。
■お腹のストレッチ(上体反らしストレッチ)の手順
1.布団の上に体を伸ばして、うつ伏せで寝る
2.両手をつき、ゆっくりと上半身だけを起こしてお腹を反らせる
3.痛気持ち良い程度に伸びたら、ゆっくりと息を吐いて20~30秒キープする
4.ゆっくりと上半身を戻し、3回繰り返す
お腹を伸ばすときは、首が下を向いたり肘が曲がったりしないように注意してください。必要以上に伸ばすと腰を痛めるため、反らしすぎず、骨盤を立てるイメージで上体を起こしましょう。
骨盤ストレッチ
骨盤ストレッチは腰回りの筋肉を伸ばしてほぐし、骨盤の歪みを改善するのに役立ちます。普段使わない筋肉を鍛えると体が引き締まって見えるため、下っ腹痩せにおすすめです。
■骨盤ストレッチ(膝倒し)の手順
1.布団の上で体育座りをして、両手を後ろにつく
2.上半身は動かさずに、両膝をゆっくり右側に倒す
3.ゆっくり膝をもとに戻し、今度は左側に倒す
4.2~3を5回繰り返す
膝を倒すときには、上半身を捻らないよう意識することが大切です。上半身を起こさずに寝たままでもできるため、就寝前の日課に取り入れてみてはいかがでしょうか。
下っ腹痩せに効果的な方法【生活習慣編】
下っ腹の脂肪を減らすために、食生活に気を使ったり運動を取り入れたりすることはもちろん大切です。しかし、生活の中でいくつかのポイントに気を付けるだけでも、大きなダイエット効果を得られます。
ここからは、下っ腹痩せに効果的な生活習慣を見ていきましょう。
冷え対策をする
体が冷えると脂肪をため込みやすくなってしまうため、普段の生活の中で意識的に体を温める必要があります。
お風呂に入る際はシャワーだけで済まさず、湯船に浸かって体をしっかり温めましょう。また、外側だけではなく、ショウガや根菜類、発酵食品などの食品を積極的に摂り、体の内側からも温めてください。
冷え性の人はストレスを抱えているケースも多く見られます。意識的にリラックスタイムを設けて心身をゆったりと休めれば、自然に体が温まり、痩せやすい体に一歩近づけるはずです。
正しい姿勢を意識する
下っ腹の脂肪を落とすためには、普段から正しい姿勢を意識してみましょう。スマホやパソコンの操作で無理な姿勢が続いてしまうと、骨盤が歪んでしまいます。骨盤の歪みや、骨の歪みに伴う下腹の筋肉の衰えによって下腹がポッコリと出てしまうケースも珍しくありません。
体の歪みを引き起こさないためにも、正しい姿勢をキープして筋肉を上手く動かしましょう。
また、デスクワークなどで長時間座り続けると、血流やリンパが滞ってしまい、肥満やむくみの原因につながります。アラームをかけて時間を管理するなどの工夫をして、定期的に体を動かしてください。
早寝早起きをする
夜更かしをすると体内時計が乱れてしまい、太りやすい体を作ってしまいます。食事や運動面で太るような習慣をしていないのに下っ腹の脂肪が気になる方は、日々の生活リズムを見直してみてはいかがでしょうか。
早寝早起きが習慣になると、代謝の良い午前中から活動的に過ごせるため、一日のカロリー消費量が上がります。痩せやすい体をキープしていくには、規則正しい生活が必要不可欠だといえます。
まとめ
下腹の贅肉は、脂肪を落として下腹周りの筋肉を鍛えると解消されやすくなります。食事制限とエクササイズを組み合わせた落とし方がおすすめです。自力で解消するのが難しいときは、ダイエット器具を活用すると良いでしょう。