セルライトとは?
そもそも、太ももにできる「セルライト」とは何なのでしょうか。
まずは、セルライトの概要について解説します。
セルライトの正体は体の老廃物や水分
セルライトとは、老廃物や水分が皮下脂肪にくっついて大きくなったもののことです。血液やリンパの流れが悪くなり、うまく排出できなかった老廃物などがセルライトになるといわれています。
セルライトが発生している状況というのは、皮下脂肪が溜まった際にその細胞から分化した「繊維芽細胞」が皮膚の表面に引っ張られた状態のことです。
セルライトを放置していると、さらに体の巡りが悪くなります。放置したままだと、冷え性や腰痛、肩こりなど、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
やせている人でもセルライトができる可能性はある
「セルライトはやせている人にはできない」というイメージがあるかもしれませんが、それは正しくありません。
セルライトは老廃物の塊であるため、血行不良であれば、やせていてもセルライトができることがあります。
とはいえ、太っている場合、よりセルライトができやすいのも事実。標準体型の人と比べた場合、脂肪によりリンパ管が圧迫されて血流が悪くなりやすく、体に老廃物が溜まりがちだからです。
セルライトの進行度を確認!簡単セルフチェック
まずは、太もものお肉をつまんで、どのような変化があるか確認してみましょう。ここでは、セルライトがどの程度進行しているかをレベル別に紹介します。
■進行度【低】
お肉をつまんでも皮膚の表面に変化がない場合は、まだセルライトが少ない状態です。軽いむくみが見られるようなら、リンパマッサージを取り入れて体のめぐりを意識して生活するようにしましょう。
■進行度【中】
お肉をつまむと軽く凸凹ができる場合には、セルライトの形成が進み始めています。つまんだときに凹凸がはっきりと確認できるようになると要注意です。
■進行度【高】
お肉を触っていない状態でも凸凹ができている場合は、セルライトの進行が深刻化しています。また、明らかに脂肪の塊がある、肌の表面にシワがあってハリやつやがないなど、見た目にもわかるような変化が起こります。
また、体が重たく感じたり、冷えを感じたりするといった不調を感じる方も増えてくる段階です。食生活の乱れや運動不足で体全体の代謝が落ち、セルライトが増えやすい体質になっていることも予想されます。
セルライト進行度のレベルが上がれば上がるほど、自力でセルライトを除去するのが難しくなっていきます。まだレベルが低いうちに生活や運動の習慣を見直し、早めにセルライト対策を始めることが重要です。
太ももにセルライトがついてしまう原因
セルライトがつくと、肌表面がオレンジの皮のように凸凹になります。一度、太ももについてしまったセルライトは、落とそうと思ってもなかなか落ちないのでやっかいです。
でも、そもそも太ももにセルライトがついてしまうのは、なぜなのでしょうか?
偏った食生活
偏った食生活を続けていると、太ももにセルライトがつきやすくなります。甘いものが好きで、チョコレートやアイスクリームなどを習慣的に食べている人、またスナック菓子をよく食べている人は要注意です。
脂質や糖質をよく摂ると、血液がドロドロになってしまいます。そうすると、血液の流れが悪くなり、太ももなどにセルライトがつきやすくなるのです。
運動不足
加齢とともに筋力が落ちると、基礎代謝は低下していき、脂肪が溜まりやすくなります。内臓脂肪がつきやすい男性に対して女性は皮下脂肪がつきやすく、しかも皮下脂肪は下半身につきやすいのが特徴です。
下半身に皮下脂肪がつくと、むくみやすくなって余分な水分や老廃物が溜まりやすくなります。結果として、太ももにセルライトがついてしまうのです。
睡眠不足
睡眠不足とセルライトとは関係がなく思えるかもしれませんが、睡眠不足が続くとセルライトがつきやすくなります。
というのは、睡眠不足は自律神経の乱れを招くからです。自律神経が乱れると、血管が収縮して血液の流れが悪くなり、結果として体を冷やしてしまいます。体が冷えると代謝が悪くなりますから、それもセルライトができる原因になります。
ストレス
ストレスも自律神経の乱れの原因になります。ストレスによって交感神経が優位になると、血管の収縮を招き、血液の流れが悪くなります。
そうすると、体が冷え、代謝機能が低下しますから、セルライトがつきやすい体になってしまいます。
ホルモンバランスの乱れ
女性は妊娠や更年期、月経などでホルモンバランスが崩れやすくなるものです。男性と比べて女性には皮下脂肪がつきやすい傾向がありますが、それには女性ホルモンのバランスが関係していることが分かっています。
ホルモンバランスの乱れによって、エストロゲンが過剰に分泌されると、脂肪細胞が大きくなります。そうすると、肥満の原因になりますし、セルライトがつく原因ともなるのです。
セルライトを自分で潰すとどうなる?
セルライトが気になる方の中には、自分でマッサージをしてセルライトを潰そうとした経験がある方もいるのではないでしょうか。一見効果がありそうですが、実は無理に潰そうとするとかえってセルライトを増やしてしまうことがあります。
マッサージをすることで確かにセルライトを潰すことができますが、やりすぎると脂肪細胞が分裂してしまい、さらに新しいセルライトを作り出してしまうことにつながります。結果として、マッサージ前よりもセルライトが多くなってしまったり、より大きなセルライトができてしまったりする可能性も否定できません。
また、セルライトを落とすために無理なマッサージをすると、マッサージした部位の血管が破れて内出血が起き、あざができてしまうことがあります。見た目が悪いだけでなく、破れた血管から脂肪細胞が流出したあと、体の再生作用が働いてより多くの脂肪が蓄積されることもあります。
こうした理由から、自分で無理にセルライトを潰すことは逆効果になる可能性もあります。肌に強い刺激を与えても思うような効果は得られにくいため、無理なマッサージが習慣になっている方は一度見直してみましょう。
太もものセルライトを落とすには筋トレがおすすめ
セルライトを落とすことと、セルライトの予防には筋トレがおすすめです。お家で手軽に始められる筋トレ法も4つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
セルライトを目立たなくできる
筋トレをすると、負荷をかけた箇所の脂肪が燃焼されやすくなります。脂肪を燃焼させれば、セルライトも目立ちにくくなります。
さらに、筋肉がつくことで代謝も良くなり、老廃物も排出されやすくなるというメリットもあります。新しいセルライトができにくくなるので、セルライト対策としても筋トレはおすすめです。
おすすめの筋トレ法
セルライトを落とすための、おすすめの筋トレ法を4つ紹介します。自分のライフスタイルに合わせて、できそうな筋トレから無理なく行ってみましょう。
■スクワット
太ももを鍛えるにはスクワットもおすすめです。スクワットで足全体を引き締めることができれば、セルライトも目立ちにくくなります。
体重をかかとにかけた状態で、目線は前に向けてゆっくりと腰を落とします。太ももと床が平行になるまで下がったら、素早く元に戻します。
上記の動作を20回1セットとして、3セット行いましょう。
■サイドレッグレイズ
サイドレッグレイズはセルライト対策に加え、お尻と脚の引き締めにおすすめの筋トレ法です。さらにウエストのくびれにつながる腹斜筋を鍛えることもできます。
お腹周りから太ももにかけて一気に鍛えることができる、効率的なトレーニングです。
まずは右側を下にして寝そべります。その状態で、左足を床から10~30cm持ち上げて一瞬キープします。
これを10回×2セット行いましょう。そして反対側の足も同様に行います。
さらに鍛えたいという場合には、片足ずつではなく両足とも上げる、以下の方法を試してみてください。
1.横向きに寝そべる
2.両足をしっかりと揃え、斜め上に足を持ち上げる。肩より前に足を上げるようにする
3.足を下す際にはゆっくりと、足を揃えたまま下ろす
上記を背中が丸くならないように、膝も曲げずに「くの字」フォームで10~15回×2セットを目安に行いましょう。
サイドレッグレイズで大切なことは、「呼吸を止めないでゆっくりと確実にやること」です。呼吸をしっかりと意識し、筋トレと連動させることで筋肉の収縮が起こるので、より効率的に鍛えることができます。
■レッグアップリフト
レッグアップリフトは、足を高く突き上げるようにして行うトレーニングです。腹筋の中でも腹直筋を鍛えることができるので、お腹を引き締めたい人におすすめです。
レッグアップリフトの正しいフォームの取り方は以下のとおりです。
1.仰向けに寝転がる
2.腕は45度ほど開いて床につける
3.体はリラックス
4.太ももと地面が垂直になるまで上げ、膝は軽く曲げる(これがセットポジション)
5.膝をお腹に近づける
6.近づけた後、つま先で空を押す(この時お尻も一緒に上げる)
7.限界まで押して、一度停止
8.ゆっくりと足を下げる
9.セットポジションに戻る
こちらが基本のフォームです。最初はフォームだけでもつらいと思うので、ゆっくりと確実にフォームを身につけましょう。
■デッドリフト
デッドリフトはバーベルなどの重いものを上げ下げするトレーニングのことです。デッドリフトでは、太ももの裏側の筋肉を鍛えることができます。
背中は丸めずに背筋を伸ばした状態で、後方に向けてお尻を突き出すイメージでバーベルも持ち上げましょう。10回3セットを目安に行うのがおすすめです。
筋トレは毎日できなくても大丈夫
筋トレというと、「毎日コツコツやらないと」と思いがちですが、そんなことはありません。毎日できなくても大丈夫です。
むしろ、筋トレは「2日続けて1日休む」サイクルが理想的とされています。なぜなら、筋肉を休ませることで筋肉が育つからです。毎日筋トレをするよりも、休みながら取り組むことで、より効率的に鍛えることができます。
太もものセルライトを落とすために心掛けたい5つのこと
ここからは、筋トレ以外のセルライトを落とす方法について紹介します。
もちろん、筋トレと合わせて取り入れることも可能です。簡単な運動や食事など、日常生活の合間にできることばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
有酸素運動をする
セルライトを落とすためには有酸素運動もおすすめです。有酸素運動の例としては、ジョギングやウォーキング、水泳、エアロビクスなどが挙げられます。
筋肉を繰り返し収縮させる有酸素運動を行うことで、血流を促進し脂肪の蓄積を防ぐことができるといわれています。
老廃物を溜め込まないよう、ゆっくりと楽なペースで無理なく行うことがポイントです。運動中に脂肪が燃焼されるため、およそ30分~60分を目安に行います。
マッサージをする
セルライトを落とすために、気になる部分をマッサージで揉みほぐします。マッサージをして揉みほぐすことで、溜まってしまった老廃物が流れるよう促します。
マッサージは、特にセルライトができやすい太ももやふくらはぎを中心に行いましょう。リンパに沿って老廃物を流すことを意識してマッサージしてみてください。
太もものマッサージを行う際は、太ももの内側と外側で分けて行うと、まんべんなくマッサージできるのでより効率的です。マッサージの方法は以下のとおりです。
1.両手を膝の上に置き、指と手のひらで太ももをつかむ
2.軽く圧迫し、太もものつけ根に向かって揉み上げる
3.表側、内側、外側をそれぞれ行い、反対側の足も同様に行う
これを両足とも3~5回ほど行いましょう。強く揉むのではなく、「気持ちが良い」と感じるくらいの力加減でマッサージすることが大切です。
肌を傷めるのが心配な人はマッサージ用のオイルやクリームを塗ってから行うと、肌をいたわりながらマッサージできます。
セルライト除去グッズを使う
セルライトを減らす手段としておすすめなのが、ストレッチ用のボールやフォームローラーなどを使って筋膜リリースを行うことです。
筋膜リリースとは、筋肉を覆っている筋膜に圧力をかけてはがし、可動域を増やしてエクササイズのパフォーマンスを上げる方法を指します。筋膜は放っておくと筋肉と癒着しやすく、そのままトレーニングを行うと痛みを感じたり、十分なトレーニング効果を得られなかったりすることがあります。
そのため、鍛えたい部分の筋膜リリースを行えばより効率的に、体を傷めることなくトレーニング効果が得られるというわけです。
また、筋トレ後は筋肉の修復過程でむくみやすくなりますが、ボールやローラーで筋肉をほぐすことで血流やリンパの流れがよくなって代謝も上がり、むくみを軽減することにもつながります。
ただし、力の入れすぎには要注意です。セルライト除去を目的としてトレーニングする場合には、無理にほぐそうとして脂肪細胞を刺激しすぎないように注意しましょう。いきなり強い圧力をかけるのではなく、ゆっくりと体重をかけながら痛気持ちいい程度にとどめておくのがコツです。
体を温める
日常的に、体を温めるよう意識することも大切です。体を温めることは血流を促進して、老廃物が流れやすい体内環境へとつながります。
特にお風呂上がりの体が温まった状態でマッサージを行うと、血流も良いのでマッサージで得られるメリットも大きくなります。
日頃から体を温めておくことで、代謝が良くなり脂肪の蓄積を防ぐことにもつながります。
ミネラルを含む食事をとる
食物繊維やカリウムなどのミネラルは、体の老廃物を外に押し出す働きがあります。ミネラルの豊富な食材はセルライトの蓄積を防ぐといわれているので、マッサージや有酸素運動と合わせて摂取するのがおすすめです。
カリウムは生の果物や野菜に多く含まれており、代表的な食材は以下のとおりです。
・りんご
・キウイ
・グレープフルーツ
・いちご
・アボカド
・納豆
食物繊維は以下の食材に多く含まれます。
・玄米や胚芽米、納豆
・きのこ類(しいたけ、しめじ、えのき)
・海藻類(わかめ、ところてん、寒天)
・いも類(さつまいも、さといも、こんにゃく)
・野菜(ごぼう、セロリ、アスパラガス、キャベツ、白菜)
食物繊維やカリウムなどのミネラルは、毎日意識して取りたい栄養素だと言えます。どうしても不足してしまうという場合は、サプリメントも活用して上手く取り入れるようにすると良いでしょう。
太もものセルライトを予防するためには
ついてしまった太もものセルライトは、簡単には落とせません。なので、できれば太ももにセルライトがつかないようにするのが一番です。
太もものセルライトを予防するためには、どんなことに気をつければいいのでしょうか。効果的な方法をみていきましょう。
生活習慣を改善する
生活習慣を改善することで、セルライトを予防することができます。具体的には、次の4つを実践してみてください。
■水分をたくさん摂る
水分をたくさん摂ると、体の新陳代謝を上げることができるので、毒素などの体に不要な老廃物を排出することができます。皮下脂肪組織が体内に溜まるのを予防でき、結果としてセルライトの予防にもつながります。
■塩分を多く摂取しない
塩分には水分を抱え込む性質があるので、塩分の摂り過ぎはむくみの原因になります。体がむくむと、老廃物が溜まりやすくなるので、結果としてセルライトができやすくなります。セルライトを予防するためには、塩分の摂取を控えることが大切です。
■睡眠をしっかりとる
睡眠不足が続くと、自律神経が乱れてセルライトがつきやすい体になってしまいます。なので、セルライト予防のためには、睡眠をしっかりととりましょう。
注意したいのが、睡眠の質です。睡眠時間が長かったとしても、眠りが浅かったり、夜中に何度も起きたりするようでは、良い睡眠とは言えません。睡眠の質の低下は自律神経の乱れにつながりますので、睡眠の質を良いものにすることにも気を配ってください。
睡眠の質を上げるためには、良い睡眠環境づくりが欠かせません。寝る前の1時間はスマホやパソコンなどの使用を避ける、照明を暗めにしてリラックスできる音楽をかける、といったことを意識して、眠りやすい環境を整えましょう。
■ 体を動かす
体を動かすと、血行が良くなりますから、新陳代謝が良くなります。また、定期的に運動することで筋肉量も増加するので、脂肪が燃焼されやすくなるというメリットもあります。結果として、セルライトの予防につながります。
血行を良くする
体が冷えていると、血行が悪くなるので、セルライトが悪化してしまいます。セルライトの予防のためには、血行を良くするように心がけましょう。
血行を良くするためには、入浴をシャワーで済ませるのではなく、湯船に浸かるようにするのがおすすめです。熱いお湯に短時間浸かるよりも、温かいお湯に10~15分浸かるようにするほうが、体が芯から温まって血行が促進されます。
ストレッチやツボ押しも血行促進につながるので、お風呂上がりなどの習慣にしてみてください。
まとめ
太ももについたセルライトはなかなか落ちませんが、努力次第で予防・除去は可能です。こちらでご紹介した方法を参考に、セルライトの予防・除去に努めてみてください。また、自力でのケアに限界を感じている人は、専門家の手を借りるようにおすすめします。