ダイエットに適した朝食の考え方
ダイエットを成功させるためには、朝食は食べるべきなのでしょうか?それとも、抜くべきなのでしょうか?
ダイエットを意識したときに朝食を食べるか否か、医学的にはまだ確立されていません。これまでに言われていることのなかから、ダイエットに適しているといわれている方法をお伝えします。
まず、どちらのほうが良いかは、前日の夕食を早めに済ませることができるかどうかで異なります。
夕食を早めに済ませられる人は、朝食べる
夕食を早めに済ませることのできる人は、朝食を食べるようにしましょう。
早めに夕食を済ませると、朝食までの時間が長く空きます。
そのため、朝にはエネルギーが不足している状態になっています。そのまま活動しても、体温が上がらないので、からだは痩せにくくなってしまうのです。
その点、朝食を摂ると、からだの体温が上がりますので、その日の代謝アップにつながります。
朝食を摂ると、摂取カロリーが増えるため太りやすくなると考える人もいますが、そうとはいえません。朝食を摂ることで体温を上げて、代謝がアップすれば、その分、摂取したカロリーを消費しやすくなるからです。
ダイエットを成功させるためには、摂取カロリーだけでなく、消費するカロリーのことも考慮に入れましょう。
朝食は、排便を促すという大切な役割もしています。
朝、起きた後に食事をすると、腸の収縮運動が促進され、それによって腸内に溜まっていた便が直腸まで移動します。結果として、スムーズな排せつが促されるのです。
便秘で悩まされている女性は多くいますが、少し早めに起きて、朝食を摂るようにするだけで、便秘が改善されることが少なくありません。
便秘はダイエットの敵ですから、便秘予防という観点からも、朝食は摂るようにおすすめします。
とはいえ、朝起きてすぐは食欲がないという人もいるかもしれません。その場合は、ヨーグルトやフルーツ、スムージーなどを試してみてはいかがでしょうか?
朝食をとることは体内時計をリセットしてくれるため、ダイエットにも重要な睡眠のリズムを整えることにもつながります。
まずは、起床後2時間以内を目安に、何か口にするのを目標にしてみてください。
夕食が遅くなる人の朝食は控えめで◎
夕食を早めに済ませたいものの、お仕事などで帰りが遅く、早めに済ませることができないという人もいることでしょう。
また、付き合いなどで夜遅い時間まで食べているため、朝はあまり食べる気が起こらないという人もいるかもしれません。
そんな人の場合は、朝食は控えめで良いでしょう。
胃の中に食べ物が残っているうちに、無理やり朝食を食べても、胃に負担を与えてしまう可能性があるからです。
夜遅い時間に食べるから、朝は食欲がないという人、ぎりぎりまで眠っていたいという人におすすめの朝食は、温かい飲みものです。
温かい飲みものは、内臓を温めてくれるので、体温を上げ、代謝をアップすることにつながります。つくる時間もほとんどかかりませんし、食欲が起こらない朝でも摂りやすいというメリットもあります。
暑い日は、冷たいものを飲みたくなるかもしれませんが、からだのことを考えると、体温を上げてくれる温かいものを口にするのがおすすめです。
コンソメスープやポタージュ、野菜スープなど、温かいものを口にしましょう。
ダイエット中に最適な朝食メニュー
ダイエット中に気をつけたいのは、朝食を食べるかどうかということだけではありません。
何を食べるかということにも気を配りたいものです。
朝食をしっかりと摂る人、控えめに摂る人に分けて、ダイエット中に最適な朝食メニューをご紹介しますので、参考にしてみてください。
朝食をしっかり摂る人
朝食をしっかりと摂る人は、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
和食なら、次のような組み合わせにしてみてはいかがでしょうか?
・ごはん、お味噌汁、焼き魚
・ごはん、お味噌汁、豆腐または納豆
基本は、ごはんと汁もの、それに魚や大豆製品でたんぱく質を補うというものです。
お味噌汁は、海藻類をたっぷり入れて繊維質を摂るようにすると、腸の動きが良くなりお通じが期待できますよ。
朝食に、卵をプラスすることもできます。お味噌汁に卵を入れたり、ゆで卵や卵焼きをプラスしたりしても良いでしょう。
卵をプラスするかどうかは、お昼に何を食べるかで決めると良いです。
例えば、お昼にオムライスやかに玉などを食べる予定があれば、朝は卵を控えることができるでしょう。
1日のトータルで食事のバランスを考えてみてください。
朝食に洋食を食べる場合は、次のような組み合わせにしてみましょう。
・フルーツやサラダ、卵料理、ロールパンなど
・野菜スープ、ヨーグルト、ごはんまたは食パン
ダイエット中に不足しがちな食物繊維を、サラダやスープの野菜で補うようにすると良いです。
「クロワッサンやデニッシュが好き」という人もいるかもしれませんが、ダイエット中はバターやマーガリンがたっぷり入ったものは控えることを、おすすめします。
もしも、どうしても我慢ができない場合は、2週間に1度にするなどと制限をもうけるようにしましょう。
朝食は控えめに摂る人
夕食が遅いので朝食は控えめに摂りたいという人は、次のようなメニューがおすすめです。
・野菜スープ
・フルーツ+ヨーグルト
・温野菜+ゆでたまご
朝からバタバタしてつくる暇がないという人は、前日に準備しておくと、朝からササッと食べることができます。
毎日、同じメニューだと飽きるので、「今日は野菜スープ」「明日はフルーツとヨーグルト」という風に、メニューをローテーションしていくと良いでしょう。 つくる時間がないときに
コンビニでおすすめの朝食メニュー
朝食をつくる時間がない。つくるのが面倒!という場合は、コンビニを利用するのも手です。
コンビニで買えるおすすめの朝食メニューは、以下のとおりです。
・サラダ、おにぎり
おにぎりだけだと野菜が不足するので、サラダをプラスするだけで、バランスの良い朝食になります。
・野菜のサンドイッチ、ゆで卵
ゆで卵をプラスすることで、よりバランスの良い朝食になります。
チーズなどが入っていない完全に野菜だけのサンドイッチの場合は、飲みものとして「牛乳」や「無糖の豆乳」をプラスすると、たんぱく質を補うことができるでしょう。
・野菜とタンパク質も摂れる栄養バランスの良いサンドイッチ
野菜ジュースやフルーツジュースをプラスするのがおすすめです。
ダイエット中は、野菜などのビタミンやミネラルの不足ばかりに気をとられがちですが、必要なのは、それだけではありません。からだを温めるエネルギーとなるためのたんぱく質と炭水化物のバランスが大切です。
なので、朝食メニューを選ぶときは、野菜サラダだけといったメニューは避けましょう。
サラダにおにぎりをプラスする、野菜と炭水化物が同時に摂れるサンドイッチにする、卵をプラスする、といった具合に、バランスの良い朝食を食べるようにしてください。
まとめ
ダイエット中に朝食を食べるかどうかは、夕食を早めに済ませることができるかで決めることができます。
早めの夕食であれば、翌朝しっかりと朝食を摂り、遅めの夕食であれば朝食は控えめに摂るのがおすすめです。
いずれの場合も炭水化物、野菜、タンパク質をバランス良く、身体を温める食べ物を摂るのが理想的な朝食といえます。
もちろん、朝食を食べるかどうか、食べた方がいいかどうかは各自の代謝の影響もあるため個人差があるといわれます。おなかがすいていないのに無理矢理食べるといったことは避けて、自分の身体にあった食事の摂り方を探ってみてください。
【この記事の監修医師】
東京女子医科大学病院、および関連病院で内科、循環器科、睡眠科として診療にあたるほか、 嘱託産業医として企業の健康経営にも携わる 木村眞樹子先生