ダイエット中によく聞くチートデイって?
ダイエットをやっていると直面する停滞期。その停滞期を乗り切るために設定するのが良いとされているのがチートデイです。
チートデイというのは、意図的に摂取カロリーを増やす日をつくることをいいます。カロリーを気にすることなく、好きなものを食べて過ごして良い日がチートデイです。
通常、ダイエット中は食事制限をして、なるべく摂取カロリーを減らすようにします。摂取カロリーを消費カロリーよりも少なく抑えることができれば、減量を成功させることができると考えられているからです。
しかし、人の身体はそう単純なものではなく、カロリー制限をし続けていると、身体が飢餓状態にあると判断し、エネルギーの消費を抑えようと働きます。そうすることによって、生命を維持しようとするのです。
結果として、カロリー制限をすればするほど、身体が飢餓状態を防ごうとして減量しにくい身体をつくってしまいます。これが、ダイエット中に誰もが経験する停滞期の原因です。
この身体の仕組みを逆手に取って、あえて摂取カロリーを増やす日をつくることで、身体に生命維持の危機にはないと思わせるのがチートデイの目的です。
ダイエット期間中に、好きなものを食べるチートデイを設けることで、身体を停滞期から抜け出すきっかけづくりにつながります。
チートデイがダイエットにもたらすメリット
カロリーのことを考えずに、好きなものを食べることができるチートデイ。チートデイがダイエットにもたらすメリットを確認しておきましょう。
ストレスが減る
食べると太るという気持ちから、食べたいものを我慢しながら行うダイエットには、ストレスがつきものです。
しかも、食べたいものを我慢しているのに、「思うように体重が減らない」「理想の体型とはほど遠い」となると、いつダイエットが終わりを迎えるのか分かりません。そうすると、ストレスを感じることも多くなり、ダイエットを辞めたいと思うようになることもあります。
そんな場合でも、何を食べても良いチートデイを設ければ、その日を目標にダイエットを頑張ることができることでしょう。ストレスを軽減して、ダイエットのモチベーションを維持するのに、チートデイは役立ちます。
栄養状態を整える
食事制限のダイエットをしていると、必要な栄養素が十分には摂れていないということが少なくありません。そんな場合でも、チートデイを設けることで、日頃不足している栄養素を補うことができます。
チートデイは、基本的には好きなものを何でも食べても良いのですが、暴飲暴食をする日ではありません。いつものダイエットメニューで足りていない栄養素を考慮して、献立を立てるのが成功するポイントです。
例えば、野菜はよく食べているけれど、タンパク質が足りていないなと感じたら、タンパク質が豊富なお肉をメインにしたメニューを考えてみましょう。乳製品を控えている場合は、チートデイの日に乳製品を摂るなどして、カルシウムなどの栄養素を補うようにすることができます。
代謝が上がる
ダイエット期間中は、摂取カロリーを減らすことで消費カロリーまで減らしてしまっています。消費カロリーが減るということは、代謝が落ちる原因になりますから、結果として痩せにくくなるということです。
その点、チートデイを設けると、身体にきちんとカロリーを摂取できていることを知らせることができ、ダイエット中の代謝低下を防ぐ助けになります。
【医師も納得!】正しいチートデイの方法
ダイエット中の停滞期から抜け出すのに良いチートデイ。チートデイを設けることで、ダイエットを効率良く進める助けにもなりますが、誤ったやり方をしていると、逆に太ってしまう可能性もあります。
ダイエットを成功させるためには、正しいチートデイの方法を知っておくようにしましょう。
以下は、正しいチートデイの方法なので、ダイエット中に実践してみてください。
痩せてから行うこと
ダイエットを開始して間もなくは、チートデイを取り入れなくても、体重は順調に減っていきます。なので、最初からチートデイを設ける必要はありません。
チートデイは、ダイエットを始めてしばらくして、停滞期に入るタイミングで行うようにします。目安は、ダイエット開始時と比べて体重が5%減ったタイミングです。
また、チートデイを行う頻度は、体脂肪によって異なります。体脂肪率を測り、それによって頻度を変えるようにしましょう。
女性の体脂肪率別のチートデイの頻度の目安は、以下のとおりです。
■10%~15%未満:7日に1度
■20%未満:4日に1度
■20%~25%未満:1週間に1度
■25%~30%未満:10日に1度
■30%~35%未満:2週間に1度
体脂肪率が35%以上ある人は、残念ながらチートデイの必要性はありません。そのまま食事制限のダイエットを続けていきましょう。
体脂肪率が35%未満になったら、チートデイを取り入れることができます。
計画的に行うこと
チートデイは、計画的に行うようにしましょう。「今日は食べすぎてしまったから、チートデイということにしよう」などと後付けしないようにします。
後付けするクセがつくと、チートデイの頻度が高くなってしまったりして、逆に太ってしまうかもしれません。
また、チートデイを決めたら、その日に何を食べるかを決めておくのがおすすめです。
チートデイには、普段のダイエット食で不足している栄養素を補うという目的もありますから、足りない栄養素を補うメニューを決めておくようにします。
何を食べるか計画することで、ドカ食いしてしまうということも避けられるはずです。
チートデイは一日だけの限定で
チートデイは、週に1度までにしましょう。連日続けると、チートデイの意味がなくなってしまいます。
チートデイを設けることのリスクは、食べるのを我慢できなくなること。あらかじめ一日限定と決めておかないと、「今日もチートデイにしよう」とズルズルと食べすぎの毎日が続くことになりかねません。
体脂肪率によっては2週間に1度で十分なので、体脂肪率を測定しながら適切なチートデイの計画を立て、それを守るようにしましょう。
チートデイ前後はダイエット中の食事
チートデイの前後は、ダイエット中の食事メニューを実践してください。
特にチートデイの後は、一時的に体重が増えていることも考えられ、ダイエットを諦めそうになるかもしれません。でも、ダイエットを成功させるためには、諦めず続けていくことが大切です。
チートデイの後は、ダイエット食に戻すだけでなく、有酸素運動をメインに、しっかりと運動を行いましょう。そうすることは、代謝を上げて痩せやすい身体にするのに役立ちます。
まとめ
ダイエット中の停滞期は、チートデイを設けることで乗り切りましょう。好きなものを食べて良い日を設けることで、ストレスを軽減することができますし、栄養状態を整えることができます。また、代謝を上げて、痩せやすい身体にする助けにもなるでしょう。
ただし、チートデイは正しい方法で行わないと、逆効果になることもあります。こちらでご紹介した正しい方法を確認し、それを守るようにしてください。停滞期を脱出できれば、きっとダイエットを成功させることができるはずです。
【この記事の監修医師】
東京女子医科大学病院、および関連病院で内科、循環器科、睡眠科として診療にあたるほか、 嘱託産業医として企業の健康経営にも携わる 木村眞樹子先生