女性の体脂肪率の標準値
体脂肪率とは、体重に占める体脂肪の割合を表す数値のことをいいます。
体重は標準値でも体脂肪率が高いと肥満と判定されますし、逆に低いとやせ型と判定されます。つまり、太っているかどうかは体重ではなく、体脂肪率が高いかどうかで判断されるということです。
気になるのが、体脂肪率はどのように求められるのかということですよね。
体脂肪率は以下の式で求められます。
体脂肪率(%)=(体脂肪量(kg)÷体重(kg))×100
この式で体脂肪率を求めようとすると、まずは自分の体脂肪量を知る必要があります。体脂肪量を測定するのは簡単ではないので、体脂肪率は家庭用の体脂肪計を使って測定するのが現実的でしょう。
女性の体脂肪率は、数値によって以下のように判定されます。
・20~30%未満(標準値)
・20%未満(やせ型)
・30~35%未満(軽肥満)
・35%以上(肥満)
体脂肪率20%以上30%未満が女性の標準値です。
体脂肪率が30%未満ならセーフですが、30%以上になるとやや肥満・肥満と判定されるのでダイエットが必要です。また、ギリギリ30%未満という人も油断すると危険ですので、体脂肪率を少し落とすように努力してみましょう。
体脂肪率を落とすためにできること:運動編
体脂肪を落とすためには、運動と食事に気を付けることが大事です。まずは運動面でできることを紹介します。
筋トレ
筋トレをして筋肉を鍛えると、筋肉量がアップします。筋肉量が増加すれば基礎代謝が上がって脂肪が燃えやすい体になるので、体脂肪率を落とすためには筋トレをしましょう。
おすすめなのが、太ももやお尻など大きな筋肉を鍛えられるスクワットです。
■スクワットのやり方
①肩幅より少し広めに足を開き、つま先を外側に向けて立つ。
②背筋を伸ばしたままで、腰を落としていく。
③太ももと床が平行になるところまでヒザを曲げる。
④ヒザを軽く曲げた状態になるまで、ゆっくりと腰を上げていく。
①~④を10回繰り返します。お尻を真下に下げるイメージで腰を落としていきましょう。
有酸素運動
体脂肪を落とすために効果的なのが、ランニングやウォーキングなどの有酸素運動です。有酸素運動では、体内に酸素を取り込み、体内の脂肪をエネルギーとして燃焼させるので体脂肪を減少させることができます。
しかし、有酸素運動のみを行うよりも、筋トレと組み合わせるのがおすすめです。筋トレで基礎代謝を高めた上で有酸素運動をすると、より脂肪が燃焼されやすくなるので効率良く体脂肪を落とすことができるからです。
・ランニング
有酸素運動の代表といえるのがランニングです。定期的にランニングをすれば、体脂肪率の減少に役立ちます。
ランニングをする場合は、フォームに気を付けましょう。着地するときは、つま先からではなく中足部で着地すると、足への負担が軽くなります。
また、背筋を伸ばして走ることも大事です。背筋を伸ばすと、多くの酸素を体内に取り込むことができるので、脂肪の燃焼が促進されるからです。
ランニングは週3回を目安に1回につき20分以上行うと、体脂肪率を落とすのに効果があります。
・ウォーキング
ウォーキングは、腹部や背中周りの脂肪を燃焼しやすいので、体脂肪を減らしたいという方におすすめの有酸素運動です。また、ランニングよりも負荷が軽いので誰でも気軽にできます。
ランニング同様、ウォーキングを行うときにもフォームに気を付けましょう。背筋を伸ばして胸を張り、しっかりと腕を振って歩くようにします。一歩ずつを大きく踏み出すと、運動負荷が高まるのでおすすめです。
ウォーキングもランニングと同様に、週3回を目安に1回につき20分以上行うようにしましょう。すぐに効果が出ない場合でも継続して行うことが大切です。
体脂肪率を落とすためにできること:食事編
体脂肪率を落とすには、運動だけではなく食事にも気を付けることが大事です。次に食事面でできることを紹介します。
三食きちんと食べる
痩せたいからと無理に食事を抜くのはおすすめできません。食事を抜くと、食事と食事の間が空きすぎるため、暴飲暴食してしまう可能性もあるからです。
体脂肪を落としたいなら、三食はきちんと食べるようにしましょう。その代わり、間食を取り過ぎないように気を付けます。甘いお菓子を控えて、チーズやナッツ、ゆで卵といった少量でも満足感があるもの、たんぱく質などの栄養素を摂れるものを間食に選ぶのがおすすめです。
三食食べるといっても、食べる量が多いと太る原因になります。食事は腹八分目を意識しましょう。早食いやながら食いは食べ過ぎの原因となるので、良く噛んで時間をかけて食べるようにするのが食べ過ぎ予防のコツです。
バランスの整った食事を意識する
体脂肪率を下げたいなら、何を食べるのかということにもこだわりましょう。「○○抜き」、「○○しか食べない」、などといったダイエットはNGです。栄養バランスの整った食事を取るようにしましょう。
特にダイエットをサポートする食物繊維やたんぱく質は意識して摂るようにおすすめします。
・食物繊維
食物繊維は腸内環境を整えるのに役立ちます。腸内環境が悪化すると太りやすくなるので、痩せたいなら食物繊維を積極的に摂ることが大切です。
また、食事の最初に食物繊維を含む食品を食べるようにすると、糖質の吸収を緩やかにして血糖値の急上昇を抑える作用もあります。この点からも、食物繊維はダイエット中にしっかりと摂りたい栄養素といえます。
食物繊維は、野菜やキノコ、海藻などに豊富に含まれるので、毎回の食事で食べるように意識してみましょう。
・たんぱく質
たんぱく質が不足すると、筋肉が分解されて筋肉量が減少するため代謝の悪い体になります。基礎代謝アップのためにはたんぱく質を積極的に摂ることも大切です。
また、糖質の代謝に関わるビタミンB1はたんぱく質を含む食品に多く含まれています。なので、たんぱく質をしっかりと摂ることは、糖質を代謝して痩せやすい体になるという点からも大切です。
たんぱく質は、肉や卵、魚などに豊富に含まれているので、意識して食べるようにしてみてください。
体脂肪率を落とすときの注意点
体脂肪率が気になり出すと、とにかく数値を下げたいという気持ちになるかもしれません。体脂肪率が高いのは問題ですが、標準~やせ型の人が無理に体脂肪率を落とそうとするのはNGです。体脂肪率10%以下を目指すなどといった無謀な目標は立てないようにしましょう。
体脂肪はない方が良いと思う人もいますが、体脂肪率は低ければ良いというわけではありません。特に女性にとって体脂肪はホルモンの分泌にもかかわっているので、体脂肪率を下げ過ぎないように注意する必要があります。
極端に体脂肪を減らして、体脂肪率を落とすとホルモンバランスが崩れることがあります。そのため、生理の遅れや自律神経失調症といったトラブルを引き起こしてしまうかもしれません。
体脂肪率が高過ぎるのは良くありませんが、低過ぎるのも問題なので、標準値の範囲でキープしましょう。
まとめ
女性の体脂肪率の標準値は、20%以上30%未満です。体脂肪率が30%以上になるとやや肥満・肥満と判定されるので、体脂肪率を落とすための努力をしましょう。
体脂肪率を落とすためには、運動と食事の両方に気を付けることが大事です。運動で体脂肪率減を目指す場合は、筋トレと有酸素運動を組み合わせるようにしましょう。食事は三食バランス良く食べることを意識してみてください。食物繊維やたんぱく質といった栄養素を摂ること、間食を控えて腹八分目に抑えることもお忘れなく。
このように運動と食事面に気を付けることで、少しずつ体脂肪を落としていくことができるでしょう。ただし、落とし過ぎないように注意してくださいね。
【この記事の監修医師】
東京女子医科大学病院、および関連病院で内科、循環器科、睡眠科として診療にあたるほか、 嘱託産業医として企業の健康経営にも携わる 木村眞樹子先生