ダイエット中に過食してしまうのはなぜ ?
痩せたいという気持ちがあるのに食欲が抑えられないと、精神的につらくなってしまいがちです。ダイエット中に過食してしまうのはどうしてなのでしょうか?
まずは原因を知って対策に役立てましょう。
ダイエットの反動による過食
痩せたいなら食べなければ良いと考えて、無理な食事制限をする人は少なくありません。しかし、無理なダイエットをしていると、その反動で過食をしてしまうことがあります。
なぜなら、痩せようとしてローカロリーのものばかりを選んで食べていると、いくら食べても脳が満足しないからです。
食事から満足感を得るためには、ダイエットの敵とみなされがちな炭水化物や脂質を摂ることが欠かせません。しかし、ダイエット中だからといって極端に炭水化物や脂質を抑えた食事をすると満腹感が得られないため、食べたくないという意思に反して食べ過ぎてしまいます。
なので、ダイエット中に過食してしまう場合は、食事を極端に制限していることが原因と考えられます。食事から必要な栄養を摂取することができていないため、満足感が得られず過食してしまうのです。
ほかのストレスによる過食
食べてストレスを解消する人もいるように、イライラや疲れが溜まっていると過食してしまう人もいます。
特にダイエット中は好きなものを食べられないということがストレスとなり、それが食べ過ぎの原因になる人もいるでしょう。そして、食べ過ぎてしまったことへの罪悪感ができ、それがまたストレスを生んで過食するという負のループに陥ります。
太りたくないという強い気持ちから、食べることへの極端な恐れを抱く人もいますが、食事は体と心の健康を保つために大切です。食事をして「美味しい」と感じることが心に満足感を与え、ストレスからくる過食の予防にもつながります。
ダイエット中の過食をやめたいなら
では、ダイエット中の過食をやめたいなら、どうすれば良いのでしょうか?過食をやめるための方法を紹介します。
痩せることに執着しすぎないように
先ほど述べたように、食べないダイエットをすると、余計に食べ物のことばかり考えるようになります。食べ物に執着するようになるため、無理して食べないのはおすすめできません。
食べないのではなく、バランスの良い食事をするダイエット法に切り替えましょう。主食のご飯をきちんと食べ、たんぱく質やビタミンなどの栄養バランスの取れた食事をするのです。
これまで食事を我慢していたのに食べ始めると、「リバウンドするのでは?」という心配があるかもしれません。
確かに、控えていた炭水化物や脂質を適度に摂り、たんぱく質など体に必要な栄養素をしっかりと摂ると、体重が増えることもあるでしょう。また、ご飯が美味しくて、つい食べ過ぎてしまうということも起こり得ます。
とはいえ、これはこれまでに極端に食べなかったことの副作用のようなもの。一時的なものにすぎないので心配は要りません。
栄養バランスの取れたヘルシーな食事を続けていけば、徐々に食欲は落ち着きますし、体重の増加も止まります。
また、栄養バランスの取れた食事に加えて、ダイエットに運動を取り入れてみましょう。運動すれば筋力をつけて基礎代謝アップにつながりますし、気分転換にもなるのでダイエット中のストレス発散にもなります。
ハードな運動だとしんどいですが、ウォーキングといった簡単な運動なら、無理なく続けていけるでしょう。
ご褒美もありにする
ダイエット中はヘルシーな食事を心がけるので、炭水化物がメインの麺類や脂肪分の多いお肉、高カロリーのデザートなどは控えたいものです。
しかし、ラーメンが大好きとか、スイーツを食べているときが一番幸せという人にとって、好きな食べ物をずっと我慢するのはストレスになることでしょう。
ストレスが溜まると、それが過食を引き起こす要因となるので、ストレスはダイエットの大敵といえます。ストレスを強く感じて過食に走るよりは、ご褒美として好きなものを食べる日を決めておくと良いでしょう。
例えば、週に1回はラーメンOKとか、週に1回は少し豪華なスイーツを食べてもOKという風に決めておくと、そのために頑張ろうと思えるようになります。ダイエットのモチベーションアップにもつながるので、ご褒美を用意しておくのはおすすめです。
もちろん、連日で好きなものを食べることが続くと、ダイエットをしているのになかなか痩せないということになるので、週に1回と決めたらそれを守るように心がけましょう。
ダイエット中に過食しそうになったら ?
栄養バランスの取れたヘルシーな食事を心がけ、食べるのを我慢し過ぎないようにしているのに、それでも過食しそうになる人もいるかもしれません。
そんな場合におすすめの対策方法を紹介します。
お腹が空いているのか考える
過食しそうになったら、まず本当にお腹が空いているのかと考えてみましょう。
冷静に考えると、お腹が空いているわけではないことに気づくかもしれません。お腹が空いていないのに過食したくなるのだとすれば、それはストレスなどが影響している可能性があります。
では、お腹が空いていないのに過食するとどうなるのか、結果を考えてみましょう。食べることで一時的に気持ちは落ち着くかもしれませんが、ストレスの根本的な解決になるわけではありません。
逆に過食したことに罪悪感を抱いて、余計にストレスが増えてしまう可能性があります。
なので、過食したくなる原因がストレスにある場合は、根本原因であるストレスを食事以外の方法で解消することが大事です。誰かに話を聞いてもらったり、気持ちが落ち着くアロマを楽しんだり、好きな音楽を聴いたりして、ストレスを軽減する努力をしてみましょう。
食べ物を常備しない
過食してしまうのは、近くに食べるものがあるからです。食べたいという衝動に駆られたときに手が届く場所に食べ物があると、つい手を伸ばしたくなりますよね。
でも、食べたくても食べ物がなければ我慢するしかありません。なので、食べ過ぎを防ぎたいなら、家や身の回りに食べ物を常備しないのがおすすめです。
例えば、食材は常備しておいても、カップ麺や菓子パン、ジャンクフードなど、手軽に食べられるものは置かないようにすることができるでしょう。
どうしても我慢できないときは、野菜スティックや果物など、ヘルシーなものでお腹を満たすようにすると、ダイエットを成功させやすいです。
ほかのことに集中する
食べたいと思い始めると、そのことばかり考えてしまい、我慢するのが大変です。なので、過食しそうになったときは、他のことに集中するように努力してみましょう。
・体を動かす
近所を散歩したり、スクワットやプランクなど室内でできる筋トレをしたりして体を動かしてみましょう。体を動かすことは気分転換になるだけでなく、食欲をコントロールするホルモンに作用して、食べたいという衝動を抑えるのに役立ちます。
・お風呂に入る
お風呂に入ってリラックスするのもおすすめです。好きなアロマや入浴剤を入れて、ゆっくりと半身浴をすると良いでしょう。
・片付けをする
部屋を片付けてみることもできます。食べたいと思ったら部屋を片付ける、掃除をするというのを習慣にすると、過食の予防になるだけでなく、家の中もきれいになるので一石二鳥です。
食べたいという気持ちを抑えるのは簡単ではないですが、ここで紹介した方法で対策を講じると、過食を予防する助けになるでしょう。
とはいえ、自分ひとりでは過食の心配があるという人もいるかもしれません。そんな人は、エステに頼るのもありです。
まとめ
極端な食事制限をして、ローカロリーのものばかりでお腹を満たすと、食べても満腹感を得られません。また、好きなものを食べられないことがストレスとなり、過食を招く原因になります。
ダイエット中の過食を防ぎたいなら、バランスの取れたヘルシーな食事を心がけましょう。また、ご褒美としてたまには好きなものを食べる日を決めるのもおすすめです。
無理せず健康的に痩せることを目指してみてください。
【この記事の監修医師】
東京女子医科大学病院、および関連病院で内科、循環器科、睡眠科として診療にあたるほか、 嘱託産業医として企業の健康経営にも携わる 木村眞樹子先生