睡眠中にもカロリーは消費される!
成人が一晩寝ると、300~350キロカロリーを消費するといわれています。これは、30~40分のランニングをしたときと同じくらいの消費カロリー量です。(ただし、睡眠中の消費カロリー量は体重や睡眠時間によって個人差はあります。)
寝ているときは体をほとんど動かさないので、「ほぼカロリーは消費されないのでは?」と思う方もいることでしょう。しかし、実際には正しく睡眠を取ると、運動したのと同じようにカロリーが消費されます。
睡眠不足は大敵!ダイエットとの関係性も
ダイエットと睡眠には大きな関わりがあり、睡眠不足だと太りやすいことがわかっています。なぜそういえるのか、睡眠とダイエットの関係について解説します。
睡眠とダイエットは切っても切れない関係
ダイエット成功の鍵を握るのは、質の高い睡眠です。睡眠中に分泌される「成長ホルモン」と「レプチン」というふたつのホルモンがダイエットに関係しているからです。
・脂肪燃焼に関わる成長ホルモン
成長ホルモンと聞くと、成長過程にある子供に分泌されるものというイメージをもつ方もいますが、実は生涯にわたって分泌されるホルモンです。
成長ホルモンには体内にある細胞の代謝を促して傷を修復し、新しい細胞を作って体を再生するという大切な働きがあります。また、体内に蓄積された脂肪を分解・燃焼する作用もあるため、成長ホルモンが分泌されるとカロリーも消費されるのです。
成長ホルモンが十分に分泌されるためには熟睡する必要があります。睡眠にはレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)がありますが、成長ホルモンはノンレム睡眠の間に大量に分泌されるからです。
・食欲を抑えるレプチン
睡眠中には食欲を抑えるレプチンというホルモンも分泌されるといわれています。しかし、睡眠不足だとレプチンの分泌量が低下するため、食欲をコントロールしにくくなり、食べ過ぎを招きやすくなります。
このようなことから、良質な睡眠をとることはダイエットをするうえで重要といえるのです。
睡眠不足になるとどうなる?
睡眠不足になると、上述したとおり成長ホルモンの分泌が減少し、代謝が落ちて太りやすくなります。
また、睡眠不足だとレプチンの分泌量も減り、代わりにグレリンという食欲を増進するホルモンの分泌量が増えることがわかっています。つまり、睡眠時間が短いと食欲も増進されるので、結果として太りやすくなるということです。
睡眠不足で太る原因についてはこちらの記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
「睡眠不足は太る原因?!いまこそ熟睡のコツを知ろう!【医師監修】」
睡眠でダイエットの効果を高める5つのポイント
ダイエット効果を高めるためには、質の高い睡眠をとることが欠かせません。また、睡眠中のカロリー消費をサポートするのに役立つ習慣を取り入れることも役立ちます。
就寝中のダイエット効果を高めるポイントを紹介しますので、実践してみてください。
1.入浴のタイミング・温度に気をつける
睡眠中の成長ホルモンの分泌を促すには、ぐっすり寝ることが大切です。ベッドに入ってもなかなか寝つけない人もいるようですが、それは入浴のタイミングやお風呂の温度に問題があるのかもしれません。
眠気が生じるのは、入浴中は体温が上昇し、入浴後に徐々に体温が低下するタイミングです。時間にすると入浴後1時間半程度で眠気が起きるといわれています。つまり、夜10時にお風呂を出たら夜11時半くらいに寝るのがベストということです。
ただし、お風呂の時間に合わせて寝る時間を決めると、お風呂の時間が遅くなればなるほど睡眠不足につながってしまいます。翌朝何時に起きるか、という点も考えて、お風呂に入るタイミングを決めると良いでしょう。
また、質の高い睡眠をとるためには、お風呂の温度を38〜40℃と少しぬるめに設定するのがおすすめです。湯船の温度が高いと、交感神経が高まって目が覚めてしまいますが、少しぬるめのお湯に設定すると副交感神経が高まり寝つきやすくなります。
2.安眠できる寝具を使う
安眠のためには、寝具にこだわることも大切です。寝具は、体にストレスがかからないものを選びましょう。
寝具ごとに選び方のポイントを紹介します。
・マットレス
体圧分散に優れているものを選ぶと、体へのストレスフリーでぐっすりと眠れます。
・シーツ
肌触りや機能から選びます。吸収性の良いものならタオル地、ふんわりとした肌触りが好みならボアやフランネル、さらっとした肌触りが好みならコットンブロードを選ぶと良いでしょう。
・布団
軽くて湿気が溜まりにくい羽毛布団がおすすめです。
・枕
枕の高さが合わないと寝つきにくいので、マットレスと首の間の隙間が適度に埋まる高さになるものを選びましょう。また、枕の硬さ、大きさ、素材も好みのものを選ぶことが大切です。
3.7時間を目安に寝る
上述のように、痩せやすい体質になるには、睡眠中に成長ホルモンが十分に分泌される必要があります。
睡眠時間が短いと成長ホルモンの分泌が減少し、消費カロリー量も少なくなってしまうので、ダイエットのためには、7時間は寝るようにしましょう。
睡眠時間が長いほどカロリーの消費量は増加しますが、寝過ぎも健康には良くありません。睡眠時間は翌朝の目覚めが良い時間内に留めるのがベストです。
4.ダイエット効果を高める飲み物・食べ物を就寝前に摂取する
ダイエットをサポートしてくれる、寝る前に摂るのがおすすめの食べ物・飲み物を紹介します。
【おすすめの食べ物】
・バナナ
質の良い睡眠を促し、成長ホルモンを活性化させる作用があるため、睡眠中のカロリー消費量アップにつながります。
・ヨーグルト
腸内環境を整える乳酸菌が豊富に含まれており、寝る前に食べると翌朝のお通じが良くなるといったメリットがあります。
・はちみつ
成長ホルモンの分泌を促すためには、脳の栄養分である糖質が必要です。寝る前にはちみつを食べて糖質を補給しておくと、成長ホルモンの分泌が促され、結果としてダイエット効果を高めることができます。また、安眠にも良いので、睡眠の質を高めるためにもおすすめの食べ物です。
【おすすめの飲み物】
・白湯
白湯には体を温めて血流を良くする作用があるので、寝る前に飲むと代謝アップにつながります。また、体内の老廃物が排出されやすくなるといったメリットもあります。
・豆乳、ソイプロテイン
たんぱく質が豊富なため、寝る前に飲むと筋肉量を増やし、代謝を促すのに効果的です。
・牛乳
牛乳もたんぱく質が豊富なので、寝る前に飲むと筋肉量を増やす、代謝をアップするといったことにつながります。また、牛乳に含まれているトリプトファンという成分には、安眠を促す作用がある点からも寝る前におすすめの飲み物です。
5.ストレッチを行う
寝る前のストレッチには、寝つきを良くする、代謝を高めるといった作用があります。寝る前に短時間で簡単にできるストレッチを紹介するので、やってみましょう。
・股関節をほぐし柔軟性を高めるストレッチ
1.あぐらをかいて、左右の足の裏を合わせる。
2.息を吐きながら上体を前に倒す
3.倒せる位置まで倒したら、元の姿勢に戻る。
※ゆっくりと呼吸をしながら15回程度繰り返します。
股関節をほぐすと血行が促進され、代謝がアップします。無理をしない範囲で行いましょう。
・全身を伸ばすストレッチ
1.仰向けになる。
2.そのまま手を上にグッと伸ばして背伸びをする。
3.思い切り伸びたら、その状態を60秒間キープする。
4.力を抜いてリラックスする。
※呼吸をしながら行いましょう。
全身を伸ばすことで体全体の血行を促進できます。また、リラックスによる安眠の効果も期待できるでしょう。
まとめ
起きているときだけでなく、睡眠中もカロリーは消費されています。質の高い睡眠をとることが、痩せやすい体質づくりには欠かせません。
ベッドに入ってもなかなか寝ることができない、眠りが浅いといった悩みがある方は、本記事で紹介した方法を参考に、眠りの質を高めてみてはいかがでしょうか。そうすれば、ダイエット効果を高めることができるでしょう。