健康的な身体を目指すボディメイク
ボディメイクとダイエット、それぞれの言葉を聞いたことはあっても、違いを理解し、説明するのは難しいと感じる人も多いでしょう。
ここではボディメイクとダイエットはどう違うのか、詳しく解説します。
ボディメイクとは?
ボディメイクは、「健康的で引き締まった体を造る」という意味で使われる言葉です。
ボディメイクでは減量だけを目的とするのではなく、筋トレなどのトレーニングを積極的に取り入れながら、美しいボディラインを目指します。
ただし、「ボディメイク」という言葉自体には学術的な定義はありません。そのため、業界ごとに多少意味合いが異なることもあります。
ボディメイクとダイエットの違いとは?
「ダイエットもいわゆるボディメイクでは?」と考える人もいるかもしれません。しかし、ダイエットの目的は、体重を減らし痩せることなので、ボディメイクとは異なります。
ダイエットでは運動や食事制限により、減量を目指すのが一般的です。そして、運動だけでは短期間で効果を得られにくいため、どちらかというと食事制限に力を入れる傾向があります。
厳しく食事制限をすれば、短期間で減量することは可能です。しかし、食事制限のダイエットだと継続が難しく、健康面にも影響が出るおそれがあるといったデメリットがあります。
一方、筋肉を鍛えることでボディラインを整えるボディメイクでは、筋肉が増えて太りにくく痩せやすい体質に変わるため、体重や体型が元に戻りにくいです。
ダイエットと違って、健康的な体づくりができるのがボディメイクの魅力といえるでしょう。
ボディメイクに必要な時間とは?
ボディメイクの効果を実感するまでには、最低でも2~3ヶ月はかかります。
減量がメインであるダイエットと異なり、ボディメイクは筋肉をつける、ボディラインを整えるといったことが求められるため、効果が出るまでには時間がかかるのです。
また、周囲に気づいてもらえるようになるまでには、半年程度かかることもあります。
即効性がなく、効果が出るまでに時間がかかることから、「本当に体型が変わるのかな?」と不安になるかもしれませんが、焦らずに継続してやっていくことが大事です。
ボディメイクをするメリット
ボディメイクは、効果が実感できるようになるまで時間がかかるので、ダイエットのほうが魅力的に感じる人もいるかもしれません。しかし、長い目で見ると、ボディメイクのほうがおすすめです。
そういえるのはなぜなのか、ボディメイクのメリットを紹介します。
健康的で美しい身体に近づける
気になる部分をトレーニングで引き締め、全身にバランス良く筋肉を付けることができるので、健康的で魅力的な体が目指せます。
食事制限などをして体重を落とすことに重きを置いたダイエットだと、筋肉も落ちてしまい、女性らしさが失われがちです。
しかし、ボディメイクだと筋肉がついた美しい体型に近づけ、メリハリのある美しいボディラインになることもできます。
美容に効果的
ボディメイクをすると、美しい体型を目指せるだけでなく、肌質が整うなど美容面での効果も期待できます。筋肉が適度につくことで血行が良くなり、肌のターンオーバーが促進されるからです。
肌の状態が人に与える印象は大きく、肌がきれいになると、それだけで若々しい雰囲気になります。体型だけでなく、美容面でも良い変化があるのがボディメイクのメリットです。
体の歪みを整えられる
ボディメイクでは、普段使っていない筋肉や、筋肉量が少ない部分もトレーニングで鍛えるため、体のバランスが良くなります。
筋肉がつき、体のバランスが良くなると、骨盤の歪みや姿勢の改善にもつなげられます。なぜなら、筋力の低下やバランスの悪さが体の歪みを引き起こしていることが多いからです。
猫背やO脚などが改善できると、スラッとした見た目になり、立ち姿も映えるようになります。また、骨盤の歪みが解消されると、下半身太りしにくい体づくりにもつながります。
体重が戻りにくい
筋肉量が増えると、基礎代謝が上がり脂肪が燃えやすくなるため、食事制限のダイエットのように体重が元に戻るといったことが起きにくくなります。
痩せやすく太りにくい体質になり、理想の体型を維持しやすくなるのがメリットです。
ボディメイクのやり方【食事編】
ボディメイクによる効果を得るためには、食事に気を配ることが大切です。筋肉をつけて美しいボディラインを目指すために、以下の点を意識してみましょう。
たんぱく質を意識して摂取する
ボディメイクではトレーニングによって筋肉を増やしていくため、筋肉のもととなるたんぱく質を意識して摂ることが大切です。18~69歳の女性であれば、1日に50gのたんぱく質を摂るよう勧められています。
たんぱく質は、肉や魚、卵、大豆製品、チーズなどの乳製品に含まれており、特に肉や魚、卵には豊富といわれています。毎日の食事に、これらたんぱく質を多く含む食品を取り入れるのがおすすめです。
また、食事だけで補うのが厳しい場合は、プロテインを取り入れると手軽にたんぱく質を補給できます。
栄養のバランスよい食事を心掛ける
たんぱく質をしっかりと摂取することに加え、ほかの栄養素もバランス良く摂取することが大切です。
健康的な体を維持するためには、炭水化物(糖質)や脂質、ビタミン、ミネラルなどの摂取も欠かせません。
特に炭水化物や脂質については、ダイエットの敵とみなされることも多く、摂取するのは良くないイメージを抱く方も多いかも知れません。しかし、炭水化物や脂質は私たちの活動のエネルギー源となるもので生きていくのに必要な栄養素です。
もちろん、摂り過ぎは太る要因となりますが、適度に摂ることは欠かせません。
体に良いからと特定の栄養素を含む食べ物ばかりとるのではなく、栄養バランスを考えた食事を意識しましょう。また、過度の食事制限は必要ないものの、カロリーオーバーしないことも大切です。
一般的な女性の場合、1日の摂取カロリーの目安は1,400~2,000Kcalです。このカロリー量を目安に、1日の食事の量を調整しましょう。
こまめに食事をとる
食事の間隔が空いて空腹状態の時間があると、エネルギー源として筋肉が分解されてしまうことがあります。筋肉を増やそうといくら努力しても、筋肉が分解されてしまっては思うような効果は得られないので、食事はこまめにとりましょう。
トレーニング前にもエネルギーを摂取しておかないと、成果につながりにくいとされています。また、トレーニング後はエネルギーを必要としている状態にあるため、栄養補給が欠かせません。
ボディメイクを効果的に行うには、空腹を避けること、トレーニングの前後に食事をとることが大切です。
ボディメイクのやり方【トレーニング編】
美しいボディラインを目指すためには、食事だけでなくトレーニングを行うことも欠かせません。ボディメイクとして行いたいトレーニングを紹介します。
特に引き締めたい部分の筋トレ
「二の腕が気になる」「ぽっこりお腹を解消したい」など、人によって気になる部分は異なります。ボディメイクでは、自分の引き締めたい部分に合った筋トレを行いましょう。
自宅ではじめるなら、まずは道具を使わずにできる自重トレーニングを行うのがおすすめです。
■ウエストにおすすめの筋トレ
・プランク
1.うつ伏せになり、両ひじを床につける
2.腰を浮かせ、足のつま先と肘から下で体を支える
3.頭~かかとまで一直線になるようにまっすぐに伸ばし、20秒程度キープする
※3セットを目安に行いましょう。
・クランチ
1.仰向けになり、ひざを直角に曲げて太ももを床と垂直になるように持ち上げる
2.両手を頭に添え、おへそに視線を向ける。このとき、肩は床から離す
3.息を吐きながら、おへそをのぞき込むようにして上体を肩甲骨が床から離れる程度まで上げる
4.息を吸いながら上体を元の位置に戻す
※1~4を10回1セットとして3セットを目安に行いましょう。
上体を上げ下げするときは勢いをつけず、ゆっくりと行うのがコツです。
■下半身におすすめの筋トレ
・スクワット
1.肩幅よりも少し広めに両足を開き、つま先を少し外側に向ける
2.背筋を伸ばしたまま、腰をゆっくりと下ろす
3.息を吸いつつ、太ももが床と並行になるまで腰を落とす
4.息を吐きながら、腰を上げる
※1~4を10回程度繰り返す
・ワイドスクワット
1.肩幅よりも広めに両足を開き、つま先を45度くらい外側に向ける
2.背筋を伸ばした姿勢で、腰をゆっくりと落とす
3.太ももがひざの高さくらいになるまで腰を落としたら、元の位置まで腰を上げる
※1~3を10回程度繰り返す
■二の腕
・プッシュアップ
1.腕立て伏せの姿勢になる
2.背中から腰、ひざ、ひじをまっすぐに伸ばす
3.ゆっくりと息を吸いつつ肘を曲げる
4.息を吐きながら肘を伸ばして元の位置まで上げる
※呼吸をしながら、何度か繰り返す
腕で体を支えるのが難しいなら、ひざをついて行うと比較的楽にできます。
筋トレ後の有酸素運動
筋トレで筋肉の量を増やし、引き締めるだけでなく、有酸素運動もボディメイクには欠かせません。有酸素運動には、糖質や脂肪を分解する効果が期待できます。
有酸素運動は筋トレで脂肪燃焼効果を高めた後に行うと、より効果的です。
筋トレ後はジョギングやウォーキング、サイクリングなどの有酸素運動を習慣にしてみましょう。20分以上継続して行うと効果が高まるので、時間も意識して挑戦してみてください。
ジムやパーソナルトレーニングの利用
ボディメイクはセルフでもできるとはいえ、目標に近づくために「どんなトレーニングが必要なのだろう?」「筋トレのやり方がわからない」という方もいることでしょう。
そんな方は、ジムやパーソナルトレーニングの利用がおすすめです。専門のトレーナーがサポートしてくれるため、正しいやり方やフォームが学べます。
家ではなかなか用意しにくい筋トレグッズや器具がそろっており、より効果的にトレーニングをすることができますよ。
自分でできるトレーニングのアドバイスをもらうことも可能ですし、自分だけで取り組むよりも継続しやすいといったメリットもあります。
ボディメイクで気をつけたいポイント
ボディメイクをするうえで、気をつけたいポイントを紹介します。
過度な食事制限は避ける
ボディメイクは効果を実感できるまでに時間がかかるため、「痩せない」「効果が出ない」と焦ってしまう人もいます。しかし、だからといって厳しい食事制限をすると、健康を害し、筋トレの効果が薄れてしまうこともあるので注意しましょう。
食事制限をすると一時的に体重は減りますが、眠りが浅くなったり、反動で食べ過ぎてしまって体重が元に戻ったり、逆に増えてしまったりすることがあります。
そのような事態を避けるために、バランスの良い食事を意識することが大切です。
目標に応じた正しいトレーニングをする
ボディメイクを行う際は、まず目標を決め、どこを引き締めるかなどを明確にしておくことが重要です。
「ウエストをマイナス5cmにする」「二の腕のたるみを引き締める」など、目標を明確にしておかないと、理想の体にするためのトレーニングを行うことができません。
やみくもにトレーニングしてもケガにつながるおそれがありますし、理想の体型になれなかったりしてモチベーションの低下の原因となります。
まずは自分でしっかり目標を立てて、目標に合ったボリュームのトレーニングを行うことが大事です。
筋トレをするときはケガに注意する
早く効果を出したいからと筋トレをハードにやり過ぎると、ケガにつながります。また、正しいフォームでできていないことも、ケガの要因になりえます。
最初のうちは頻度を減らすなどして、あまり負荷をかけないようにしましょう。慣れてきたら、筋トレのセット数を増やしたり、運動の頻度を上げたりすることができます。
やり方や正しいフォームがわからない場合は、まずは専門のトレーナーなどに教わるのがおすすめです。正しいフォームを学んだ後に、セルフでのトレーニングを行うことができるでしょう。
また、オーバーワークにならないように、適度に休息を取り入れることも忘れないようにしてください。
睡眠をしっかりとる
睡眠中は、脂肪燃焼効果を高める成長ホルモンが分泌され、代謝が良くなります。成長ホルモンは入眠後の3時間までの間に特に多く分泌されるといわれているため、ぐっすり眠りにつけるように規則正しい生活をすることも大切です。
また、睡眠不足になると、トレーニングによる疲れが取れず、ケガや体調不良の原因になってしまうので注意しましょう。
エステを利用してみる
エステに通いながらボディメイクをするのもおすすめの方法です。
プロの手によって気になる部分をマッサージしたり、専用の器具を使ってアプローチしたりすることで、トレーニングの効果を高めることができますよ。
また、プロの視点からのチェックや食事管理などのアドバイスをもらうことで、食事管理やトレーニングのやる気アップにつながるのもメリットです。効果が出るまで時間がかかるボディメイクを焦らず続けるモチベーションとなります。
まとめ
ボディメイクとは、筋トレや有酸素運動などのトレーニングを取り入れつつ、美しいボディラインを目指すことで、減量を主な目的としたダイエットとは異なります。
健康的でメリハリのある体を手に入れることができ、また太りにくく痩せやすい体質へと変化できるのがメリットです。一朝一夕で効果を得ることはできませんが、地道に努力を続けていけば、理想の体型に近づけるでしょう。