1日の摂取カロリーは「基礎代謝量」と「活動量」を目安にしよう
ダイエットをするときに、まず知っておきたいのが1日の摂取カロリーです。体を維持するために必要なエネルギー量は、一人ひとりで異なります。
ここでは、基礎代謝量や活動量との関係を絡めて、女性に必要な1日の摂取カロリーを解説します。
カロリーと代謝の関係
私たちは、食事から体に必要なエネルギーや栄養を摂取します。カロリーはこのエネルギーを表す単位で、人間の体はただ息をするだけでも常にエネルギーを消費しています。
たくさん食べれば太るものの、ある程度は食べてエネルギーを摂取しないと、生命活動を維持できません。かといってたくさん食べてエネルギーを摂りすぎれば、あまったものが余計な脂肪となって体に贅肉が蓄積します。
要するに、摂取するカロリーが消費カロリーを上回っていると太るのです。
健康な体を維持するために最低限必要なエネルギー量は、「基礎代謝」と呼ばれます。1日に必要な摂取カロリーは一性別や年齢、体格などによって左右されます。最初に自分の基礎代謝量と活動量を調べてから、ダイエットに取り組みましょう。
女性に必要な摂取カロリーとは
成人女性が1日に必要とするエネルギーは、基礎代謝量に応じた消費カロリーによって決定されます。
基礎代謝量は、呼吸や体温維持、内臓を動かすために消費されるエネルギーで、性別や年齢、体重、身長などによってさまざまです。成人女性の年齢別の基礎代謝の平均は、次の表のとおりです。
年齢 (歳) | 基礎代謝量 (kcal/日) | 参照体重 (kg) |
18~29 | 1,110 | 50.3 |
30~49 | 1,160 | 530. |
50~64 | 1,110 | 53.8 |
65~74 | 1,080 | 52.1 |
75~ | 1,010 | 48.8 |
出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書 Ⅱ各論 エネルギー」(厚生労働省)
基礎代謝に加味する活動量による消費エネルギーは、女性の場合、大きくふたつのタイプにわけられます。自分の生活を振り返ってみて、1日に必要とする摂取カロリーを算出しましょう。
・デスクワーク中心で活動量が低い女性:1,400~2,000kcal
・日常的によく体を動かす女性:2,000~2,400kcal
1日に必要とする摂取カロリーがわかれば、あとは食事から摂るエネルギー量を太らない範囲に抑えるか、消費カロリーを増やせば、健康的にスリムアップが実現します。
消費カロリーを増やすのにおすすめのダイエット方法
ダイエットに取り組むときに極端に摂取カロリーを減らしてしまうと、体の生命維持に必要な栄養が不足しがちです。美容にも良くないため、摂取カロリーを削るのではなく消費カロリーを効率良く増やして、健康できれいなままスリムアップを目指しましょう。
ここでは、おすすめの消費カロリーを増やすダイエット法を紹介します。
カロリー燃焼に効果的なものを食べる
食べ物のなかには、カロリー消費を促す食材があります。無理に食事量をセーブすると栄養が偏ってしまうため、ダイエット中の献立には、カロリー燃焼を働きかける食べ物を積極的に取り入れると良いでしょう。
特に女性の場合は、次の食材がおすすめです。
・ブロッコリー
ブロッコリーは、食物繊維やビタミンC、カリウムをはじめとする栄養豊富な緑黄色野菜です。なかでも「クロム」と呼ばれるミネラルは、脂肪の蓄積を抑える働きが期待できます。
・リンゴ
「医者いらず」と呼ばれるほど、栄養豊富な果物です。リンゴに含まれる食物繊維のペクチンは、腸内細菌を増やしてコレステロールを抑制する働きがあります。
・梨
梨は水分量が多く、満腹感が得られます。また、1日に必要な食物繊維の1/4が摂取できるため、カロリーセーブにおすすめです。
・オートミール
オートミールは低糖質で低カロリーであるため、ダイエット向きの食材です。水溶性食物繊維であるβ-グルカンが糖の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を抑える働きかけをします。
・魚
魚はたんぱく質が豊富で、ダイエット中に積極的に摂りたい食材です。DHAやEPAといった体に良い脂肪を含み、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを抑える働きもあります。
・ナッツや種(適量)
ナッツは糖代謝に関与するビタミンB群や代謝アップに役立つビタミンEが豊富で、ダイエット中のおやつに最適です。ただし、ナッツは食べ過ぎると高カロリーになってしまうため、1日の摂取カロリーを超えないように、適量をわきまえる必要があります。
食事に工夫をしよう
食事の工夫でも、消費カロリーを増やせます。たとえば、食事に香辛料を加えると、カプサイシンのカロリー燃焼作用で新陳代謝が向上します。
適度にカフェインを摂るのも、消費カロリーを増やすのに有効です。ただし、コーヒーや紅茶を飲むのに砂糖やミルクを入れると、摂取カロリーが増えてしまいます。できるだけブラックやストレートでカフェイン摂取をするよう心がけましょう。
筋トレを習慣にする
筋トレを習慣にすれば、ダイレクトに消費カロリーを増やせます。運動でエネルギーを燃焼させるだけでなく、筋肉量を維持して基礎代謝の低下を予防しましょう。
基礎代謝が上がると、休息時に消費するカロリーも増えます。痩せやすく、太りにくい体作りにつながるため、腿、腕、腹部、背中、胸といった大きな筋肉郡を鍛える筋トレに取り組んでください。
有酸素運動を取り入れる
ダイエット中の運動には、有酸素運動がおすすめです。ウォーキング、ランニング、水泳、サイクリングといった有酸素運動は、効率良く脂肪を燃焼できるとされています。
ただし、有酸素運動だけだと筋肉も燃焼し、基礎代謝の低下を招きがちです。そのままだとカロリー消費の効率が落ちるため、ダイエット中は筋トレと有酸素運動をバランスよく取り入れて、筋肉量の減少を防ぐ必要があります。
カロリー制限のダイエットをする際の注意点
カロリーを限界まで削ってスリムになっても、肌や髪の毛が乾燥にしてしまって老けて見えたりすれば、元も子もありません。ダイエットの基本を守って、健康的に体を引き締めましょう。
最後に、カロリー制限ダイエットをする際の注意点について解説します。
消費カロリーが基礎代謝量を下回らないようにする
カロリーセーブは大事でも、消費カロリーが基礎代謝量を下回らないように注意が必要です。摂取カロリーが少なすぎるとエネルギーが不足し、生活や体にも悪影響が出るおそれがあります。
また、消費カロリーが基礎代謝量を下回ると筋肉から必要な栄養が流出し、筋力低下を招くリスクもあります。基礎代謝も低下して痩せにくくなるため、筋肉を落とさない工夫が必要です。
栄養バランスに気を遣う
食事制限系のダイエットは、栄養バランスを意識して取り組みましょう。1日の摂取カロリーを抑えても、必要な栄養素を摂っていなければ意味がありません。
ダイエット中はカロリーをセーブするとともに、たんぱく質と野菜を積極的に献立に取り入れるのが基本です。たんぱく質をしっかり摂らないと筋肉量が低下し、痩せにくくなってしまいます。
食物繊維が豊富な野菜も、カロリーセーブに役立つ食材です。血糖値の急上昇を抑えるためにも、野菜から食べ始める工夫をしましょう。
まとめ
痩せたいからといってやみくもに食事の量を減らしても、なかなかうまくいきません。健康的に、美しくスリムアップを目指すためにも、1日の摂取カロリーをきちんと守りましょう。
ダイエットが長続きしないとお悩みなら、エステに通うのもおすすめです。適切なアドバイスを受けて、理想のボディを手に入れましょう。