フェイスラインのたるみの原因
フェイスラインのたるみの原因はさまざまあり、場合によっては複数の原因が重なってたるみにつながっていることもあります。
たるみを改善させるためには、原因となる行動や要因を把握したうえで対策を講じることが大切です。
まずは、フェイスラインのたるみの原因として考えられる、外的要因や日常行動について解説します。
顔の筋肉の衰え
顔の筋肉の衰えは、フェイスラインがたるむ原因のひとつです。加齢による筋力の低下により、フェイスラインがたるんでいるのかもしれません。
また、普段から柔らかいものばかりを食べている場合も、フェイスラインの筋力が低下している可能性があります。
フェイスラインの筋肉は、普段の表情でまったく動かさない、あるいは常に緊張させている筋肉があると表情の癖がついて筋繊維に緩みが生じることも少なくありません。
この筋繊維の緩みがフェイスラインのたるみの原因です。また、感染症対策でマスクを着用したままの生活が長くなり、無表情でいることが増えたことも原因のひとつとして考えられます。
乾燥や紫外線
乾燥や紫外線も肌にたるみが生じる原因です。乾燥すると肌のハリや弾力が損なわれて肌触りがゴワついた印象になり、たるみに加えてシワも引き起こします。
スキンケアで肌の保湿が重要視されているのは、たるみやシワの原因を防ぐ目的があるのも理由のひとつです。
また、肌の真皮層(表皮の下にある約2mmほどの層)では、コラーゲン繊維やエラスチン繊維などが肌のハリや弾力を維持しています。
紫外線で肌がダメージを受けると、コラーゲン繊維やエラスチン繊維が損傷して肌のたるみを引き起こすため注意が必要です。
普段の姿勢
日常生活の中で姿勢が悪くなっていると、血行不良を引き起こして顔がむくみ、たるみの原因になることがあります。
とくに、パソコンやスマホを触るときに前傾姿勢になっていると、首や肩回りの筋肉が緊張して血行が悪くなるため、注意しなければなりません。
一般的な成人の頭の重さは、体重の約10%程度だといわれています。体重50kgの人で約5kgある計算になり、この重さが首周りの筋力に負荷をかけているのです。
姿勢が崩れていると、さらに何倍もの負荷が首や肩回りにかかるため、血行不良によるフェイスラインのたるみを引き起こす原因になります。
血行不良によるむくみ
血行不良やリンパの流れが悪くなると、水分や老廃物がきちんと排出されずむくみが生じます。顔がむくんだ状態だと真皮層の皮膚を支えて形や弾力を保つ機能が低下し、たるみにつながるため、「たかがむくみ」と軽視してはいけないのです。
むくみを起こす血行不良やリンパの詰まりは、塩分やアルコール、水分の過剰摂取で生じやすくなります。バランスの良い食事を心がけ、むくみにつながる塩分やアルコールは控えるようにしましょう。
ただし、水分は控えすぎてもむくみを起こします。水分を控える、というよりはこまめに飲むことを意識して発汗や利尿を促すようにしてください。
また、運動不足や体の冷え、睡眠不足でもむくみは起こるので気を付けましょう。
睡眠不足
睡眠不足も、フェイスラインのたるみを引き起こす原因のひとつです。睡眠不足になると成長ホルモンが充分に分泌されず、肌のターンオーバーが乱れてしまいます。
肌のターンオーバーは、古くなった肌細胞が剥がれ落ち、新しい肌細胞を再生する重要なものです。
ターンオーバーが乱れると、この生まれ変わりのサイクルがうまく機能しなくなるため、古くなった肌細胞が残ってシワやたるみを引き起こします。
また、ターンオーバーの乱れはシワやたるみだけでなく、くすみや毛穴の開きや詰まりなど、肌トラブル全般を引き起こす原因にもなるので注意しましょう。
急激な体重の増減
食べ過ぎや運動不足などが原因で体重が急激に増加すると、筋肉量は同じ、もしくは減少しているのに脂肪だけが増えるという状態になることがあります。
筋肉量が変わらない、または減少した状態で脂肪のみが増えると、皮膚と筋肉が脂肪を支えられなくなるため、たるみを引き起こします。
また、皮下脂肪に老廃物やセルライトがついて脂肪が肥大すると血行不良を起こし、むくみからたるみにつながりやすくなるため、気を付けなくてはいけません。
一方で、体重が急激に減って必要な脂肪まで失われてしまった場合は、ハリがなくなってたるみにつながります。
減量は1ヶ月で今の体重の5%までが理想とされているので、その数値を大幅に超えるほど体重を減らさないように気を付けましょう。
たとえば体重が60kgの方なら1ヶ月で3kgまで、1週間なら750gまでです。
フェイスラインを引き締める!ストレッチ&マッサージ
フェイスラインのたるみを改善するには、フェイスラインの周囲にある筋肉を鍛え、血行を促進することが大切です。
ここからは、フェイスラインを引き締めてたるみ改善を促す、ストレッチとマッサージの方法について紹介します。
上向きストレッチ
上向きストレッチを行うと、フェイスラインや首周りを伸ばして血行を促進する効果が期待できます。上向きストレッチの方法は以下のとおりです。
1.顔を上に向けて天井を見上げる姿勢をとる
2.唇をすぼめるようなイメージで前に突き出し、5秒程度キープする
3.ゆっくりと唇を元の位置に戻す
4.1~3を数回繰り返す
ストレッチを行うタイミングは、筋肉の緊張をほぐすために入浴後など体が温まっているときに行うのがおすすめです。ホットタオルなどで、フェイスラインを温めてから行うのも良いでしょう。
顎マッサージ
顎から耳までのフェイスラインをマッサージすることで、むくみが軽減されてたるみ予防が叶います。顎マッサージは次の手順で行ってください。
1.両手の人差し指を曲げてカギの手を作り、親指と人差し指で顎先を挟む
2.顎先から耳に向かって、指に軽く力を入れながらねじるように動かす
3.もう一度顎先に戻り、耳に向かって親指と人差し指で軽く揉んでいく
4.最後に耳をつまんで軽く回す
顎マッサージをするときは、摩擦を軽減するためにオイルやクリームを使うと良いです。オイルやクリームですべりを良くして、気持ち良い程度のやさしい力でマッサージをしましょう。
摩擦はお肌に刺激を与えて肌トラブルを起こすこともあり、乾燥を引き起こしてたるみにつながることもあるので注意しましょう。
筋肉引き上げマッサージ
筋肉引き上げマッサージで、フェイスラインの筋肉を引き上げるのもたるみ改善に効果的です。リンパの流れを促すマッサージでもあるため、顔周りのむくみ解消にも役立ちます。
1.耳の前あたりから中指を使って小鼻にかけて優しく撫でる
2.手のひらの付け根で口角を頬骨に向かって持ち上げる
3.頬骨まで持ち上げたらゆっくりと頬骨に沿って耳の前まで流すように撫でる
4.1を行う
5.頬からエラにかけての位置を手のひらの付け根でぐっと持ち上げる
6.3と同様に、持ち上げて耳の前に流し、1を行う
7.3回程度繰り返す(左右とも)
マッサージを行うときは、力加減がポイントになります。筋肉を持ち上げるときは力を込め、リンパを流すときは少しだけ圧をかけながら優しく撫でるイメージで行いましょう。
舌回しエクササイズ
舌回しエクササイズは、口まわりにある口輪筋(こうりんきん)を刺激してフェイスラインのたるみを軽減できる方法です。
1.下を上唇と歯茎の間に差し込む
2.差し込んだまま時計回りに一周回す(下顎をとおるときは、下唇と歯茎の間をとおるように)
3.同様に、反時計回りに一周回す
4.時計回り、反時計回りをそれぞれ3回程度繰り返す
5.口角の斜め上をとおるときに3秒程度舌先で押す(左右とも)
6.耳の下あたりから鎖骨に向かって首を優しく両手で撫でおろす
舌回しエクササイズを行う際に、目を一緒に大きく回すことで目の周りの眼輪筋(がんりんきん)のエクササイズを同時に行うことができます。目の周りのシワやたるみ改善につながるので、合わせて行うのもおすすめです。
普段の生活でできるたるみ改善のポイント
フェイスラインのたるみ改善は、日常生活の中でちょっとしたポイントを意識することで実践できます。では、具体的にどのようなことを意識すれば良いのでしょうか。
ここからは、普段の生活の中でできる、フェイスラインのたるみ改善に役立つポイントについて紹介します。
コラーゲンを補う
たるみは、肌の真皮層にあるコラーゲン繊維の働きが衰えることで発生します。そのため、食事にコラーゲンを含む食材を取り入れて不足を補うのもおすすめです。
コラーゲンを含む食材は、肉類であれば手羽先や鶏なんこつ、牛すじなどで、魚介類であればサケやアジ、イワシ、イカ、エビなどにも含まれています。
ただし、コラーゲンを含む食材は高脂質なものが多いため、摂取しすぎるとニキビや毛穴トラブルの要因になりかねません。
コラーゲンの摂取量は、1日に5~10g程度が目安として推奨されているので、コラーゲンドリンクなどで補う際にはとくに摂取量に注意してください。
正しい姿勢を意識する
フェイスラインのたるみは、上述したとおり姿勢が悪くなることでも引き起こされます。猫背やうつむいた姿勢にならないよう、パソコンやスマホを見るとき、食事の姿勢などに注意しましょう。
スマホを長時間崩れた姿勢で見続けていると、フェイスラインのたるみだけでなく頚椎症(けいついしょう)を引き起こす原因になりかねません。
頚椎症は「ストレートネック」「スマホ首」とも呼ばれ、長時間スマホを見る人に多い症状だといわれています。
頚椎症になると痛みが生じ、さらに正しい姿勢を維持することが難しくなる原因になりかねません。フェイスラインのたるみがさらに進行する悪循環に陥らないためにも、普段から正しい姿勢を意識しておきましょう。
保湿ケアを徹底する
たるみにつながる乾燥は大敵です。加齢によるたるみを最小限にするために、保湿ケアはしっかりと行いましょう。
特に秋冬は乾燥しやすい季節なので、入念に保湿ケアが必要です。春や夏は汗をかきやすい時期ですが、紫外線やエアコンの影響で乾燥しやすいため、基本的な保湿ケアは欠かさないようにしてください。
保湿ケアは化粧水やクリームでのケアが効果的ですが、体の内側からアプローチすることも大切です。水分をしっかり摂る、栄養をバランス良く摂ることを心がけて、内側からも保湿ケアをしましょう。
前述したように、紫外線はコラーゲン繊維やエラスチン繊維に傷をつけて、肌のたるみを引き起こします。紫外線はオールシーズン降り注いでいるので、外出するときは日焼け止めを必ずつけて紫外線対策をしましょう。
表情筋をトレーニングする
日頃から表情筋をトレーニングすることで、たるみの予防・改善につながります。トレーニングというと難しいイメージを持つ方もいるかもしれませんが、ガムを噛む、口を大きく開けて発音するなどの簡単な方法でトレーニングは可能です。
まずは、日常生活で取り入れられるような簡単なトレーニングから始めて、少し慣れてきたらもっとコアな表情トレーニングに挑戦してみてください。
まとめ
フェイスラインのたるみは、加齢だけでなく普段の生活習慣の積み重ねで引き起こされることも多くあります。たるみ改善には自分自身でマッサージするのも良いですが、エステを活用するのもおすすめです。エステではフェイスラインにアプローチでき、顔の引き締めが期待できます。
また、普段の生活の中では、マスクの下でも意識して口角を上げるなどして、顔周りの筋肉が衰えないように意識することも大切です。