顔のむくみの原因とは?
まずは、顔のむくみが発生する原因を4つ紹介します。複数の原因によってむくみが発生している場合もあるため、自分がむくみやすいのはどのような状況のときか、確認してみましょう。
生理前や生理中
顔のむくみは、顔周りの皮下に水分が溜まった状態になることで発生するものです。
とくに女性は、生理周期によるホルモンバランスの変動が原因で、顔がむくみやすくなります。
女性ホルモンの一種であるプロゲステロンには水分を溜め込む性質があるため、プロゲステロンの分泌量が多くなる生理前や生理中はむくみやすくなっているのです。
また、生理の前後はむくみやすくなるほかにも「機嫌が悪くなる」「食欲が増す」「眠くなる」「便秘がちになる」など、体にさまざまな影響が出る人もいます。
生理にともなうホルモンの影響でリンパの流れや血行が悪くなると冷え性にもつながり、体内の水分が排出されにくくなるのも顔がむくむ原因のひとつです。
アルコール
アルコールを摂取すると、顔がむくみやすくなることがあります。
アルコールは、体内で分解して排出する際に水分を多く必要とするため、脱水状態になりやすくなることも原因のひとつです。
体が脱水状態になると、血液内に水分を保とうとするため、アルコールを摂取するとむくみやすくなります。
また、お酒を飲むとき、一緒に塩気の多いつまみを食べることもひとつの要因といえるでしょう。
塩分を摂取すると、体内の塩分濃度が高くなります。塩分濃度を下げるために水分を溜め込もうとするため、むくみの原因になるのです。
睡眠不足
睡眠不足も顔がむくむ原因のひとつです。睡眠不足になるとリンパや血行が悪くなるため、体に老廃物が溜まってむくみの原因になります。
また、老廃物が溜まることでさらに血行不良を引き起こし、むくみがなかなか改善しなくなる場合もあるため、睡眠時間の確保はとても重要です。
運動不足
運動不足が続いている場合も、むくみやすくなることがあります。筋肉量が低下するため血行が悪くなり、水分の代謝が悪くなってしまうためです。
また、運動不足は血行不良やリンパの流れが悪くなる原因にもなるため、冷え性につながり、むくみが発生する悪循環に陥ります。
たとえば、睡眠不足で体力が回復しておらず「疲労で運動することができない」など、ほかの原因が複合的に絡んでいるケースもあるでしょう。
顔のむくみが気になるときは、生活習慣や生理周期など、どのような原因が考えられるかを客観的に絞り込むことが大切です。
顔のむくみを解消する4つの方法
顔のむくみの原因がわかっていても「今すぐ少しでも解消したい」という場合、すぐに実践可能なむくみの対処法はあるのでしょうか。
ここからは、顔のむくみを解消するためにすぐ実践できる4つの方法について紹介します。
冷温洗顔
飲み会の翌朝など「今すぐにでも顔のむくみをなんとかしたい」という場合には、冷温洗顔がおすすめです。
ぬるま湯と冷水で交互に洗顔する方法で、血管の収縮を促すことから、血行促進の効果が期待できます。
血行が良くなればむくみの解消にもつながり、手早く簡単に行える方法のため、朝や外出前など「急いでむくみを軽減したい」という状況の際にもおすすめです。
冷温洗顔は、ぬるま湯と冷水の洗顔を2~3セット繰り返して行いましょう。ぬるま湯ではなくお湯を使用すると、肌に必要な油分が失われ、乾燥や肌荒れにつながるおそれがあります。
冷温洗顔を数回行うと、洗顔後にじわじわと顔の血流が良くなっていることが実感できるでしょう。
蒸しタオル
顔のむくみは、リンパの流れや血行が悪くなることで起こりやすくなると上述しました。そのため、リンパの流れや血行促進に効果的な「蒸しタオル」もむくみを解消する手段として活用できます。
蒸しタオルは、濡らしたタオルをラップで包み、500~600wのレンジで30秒~1分程度温めれば簡単に用意することができるのも特徴です。
加熱した直後のタオルは熱くなっているため、火傷には十分注意しましょう。また、蒸しタオルとは別に濡らしたタオルを冷蔵庫に入れ、冷たいタオルを準備しておくのもおすすめです。
冷温洗顔のように、蒸しタオルと冷たいタオルを交互に30秒ずつ顔に当てれば、血行促進効果が期待できます。
また、顔周りの血行不良は肩こりなどが原因になっている場合もあるため、タオルを顔に当てている間に首の後ろや肩をマッサージするとより効果的です。
顔のマッサージ
顔のマッサージもむくみを解消する方法のひとつです。リンパの流れや血行の促進に役立つため、むくみだけでなく顔全体のくすみなどにも効果が期待できます。
顔のマッサージ方法は多くありますが、むくみを解消する目的であれば以下のような方法で行うと良いでしょう。
1.両手の3本の指を使って額、目の下、頬、あごの順に顔の内側から外側に向かってマッサージする
2.指の腹を使って耳の後ろ(耳下腺)から首筋、鎖骨に掛けてリンパを意識して流す
3.鎖骨のくぼみをゆっくり押す
これは、鎖骨下静脈に向かってリンパを流す方法として知られているマッサージのやり方です。入浴中、入浴後などの体が温まっているときに行うと、さらにむくみ解消効果が期待できます。
また、マッサージを行う際には、マッサージ用クリームやスキンケアの乳液、クリームなどを塗布した状態で行うのがおすすめです。
肌への摩擦を軽減できるため、マッサージの摩擦によって肌荒れなどのトラブルが発生するのを防ぎながらスキンケアも行うことができます。
サロンやエステ
顔のむくみ解消には、サロンやエステを利用してプロにマッサージしてもらうのも効果的です。
自分でマッサージをするよりも、専門的な知識がある施術者に安心して任せられるので、リラックスできます。
また、普段のケア方法や予防するための生活習慣のポイントなどをアドバイスしてもらえるのも、サロンやエステをおすすめする理由のひとつです。
「自分で解消法を試しても効果が感じられない」「顔のむくみが頻繁に起こる」などの場合には、サロンやエステの活用を検討してみると良いでしょう。
顔のむくみを防止するには
顔がむくんでしまってから解消させるのではなく「顔のむくみそのものを防ぎたい」という方も多いのではないでしょうか。
ここからは、顔のむくみ予防に役立つ生活習慣のポイントについて紹介します。
むくみに効果的な栄養素を摂る
顔がむくむのを事前に予防するためには、普段の食事の中で顔のむくみを防ぐのに効果的な栄養素を積極的に摂取することが大切です。
むくみ予防に役立つ栄養素は、カリウムやビタミンB2などが挙げられます。カリウムは、体内の水分バランスの維持や塩分排出を促す作用があり、ビタミンB2はホルモンバランスを維持するために必要な栄養素です。
そのため、塩分を多く含む食事を摂ったときはカリウムを多く含む食品を意識し、生理前にはビタミンB2を多く含む食品を積極的に摂取すると良いでしょう。
・カリウムを多く含む食材
のり、わかめ、こんぶ、大豆、枝豆、バナナ、ホウレン草、アボカドなど
・ビタミンB2を多く含む食材
まぐろ、ぶり、レバー、ニンニク、牛乳、たまご、うなぎなど
ただし、栄養が偏らないように、ほかの栄養素もバランスよく摂るようにすることが大切です。栄養が偏ってしまえば、体調を崩す原因になるおそれもあるため注意しましょう。
また、生理の前後に「体が冷えやすい」「血行が悪くなりやすい」という方は、血行を促進し、体を温める成分「ジンゲロール」を含むしょうがもおすすめです。
また、女性ホルモンに似た性質をもつイソフラボンを含む豆腐などの食材も、積極的に摂取すると良いでしょう。
塩分を控える
顔のむくみは、塩分の多い食事を摂取することでも発生しやすくなるため、塩やしょうゆなどの塩分を多く含む調味料を使った食事を控えるのもむくみ防止につながります。
塩分は、むくみだけでなく高血圧などの生活習慣病のリスクを高めるとも指摘されているため、塩分摂取を控えることは生活習慣病の予防にも効果的といえます。
とくに、体の水分が不足しやすい夜間や寝る前などは塩分の摂取を控え、寝る前や起床後にコップ一杯の水を飲むなど、体内の塩分濃度を抑えるように工夫すると良いでしょう。
お酒を控える
お酒の量を控えることも、顔のむくみ予防につながります。会社の飲み会などで控えることが難しい場合には、お酒と同量の水を飲むことでアルコールの代謝を促すことができるのでおすすめです。
度数の高いお酒は代謝に必要な水分も多くなるため、なるべく控えた方がむくみ予防につながります。
また、飲酒する際のつまみとして食べるものにも注意し、塩分の高いものは控えるようにしましょう。
おつまみとして食べるのであれば、枝豆や湯豆腐、まぐろの刺身などがおすすめです。上述したカリウムや、ビタミンB2を多く含む食材をうまく取り入れてみると良いでしょう。
そのほか、アルコール分解に必要なタンパク質や、肝臓の負担を軽減してくれるシジミ、ウコンなどを取り入れるのも有効です。
お風呂に浸かる
顔のむくみを予防するには、冷えを予防して血行を良くすることが大切です。そのためには、入浴をシャワーだけで済ませるのではなく、湯船にしっかりと浸かる習慣をつけると良いでしょう。
しっかりと温まることで血行が促進されるため、冷えの改善や代謝アップにつながり、むくみ予防に役立ちます。
炭酸ガスの入浴剤などを使用すると、血行が促進されやすくなります。自分の好きな香りを楽しむなど、入浴を習慣化するうえでも楽しみながら継続できるでしょう。
また、体を冷やさないためには、飲み物を温かいものにするのも方法のひとつです。
冷たいものは消化器系の内臓を冷やして代謝が下がる原因になるため、体の中から温めることを意識してみてはいかがでしょうか。
適度に体を動かす
顔のむくみを予防するためには、血行不良を解消することが大切です。適度な運動で体を動かし、筋肉量を増やすのもむくみ予防に効果的なので意識してみると良いでしょう。
普段運動不足の人が、急に負荷の高いトレーニングを行うと怪我をするおそれがあるため、まずはウォーキングやジョギングなどからはじめることをおすすめします。
また、通勤時に階段を選ぶ、1駅手前で降りて歩くなど、生活の中で体を動かす工夫を取り入れるのも効果的です。
筋肉量が増えて血行が良くなれば代謝もアップするため、むくみ予防だけでなく冷え性の改善やダイエットにもつながります。
まとめ
顔のむくみは、普段の生活習慣の中で取り入れられる解消方法が多くあります。
いいかえれば、生活習慣次第でむくみやすい状態になるため、塩分やアルコールの摂取量、運動量などを見直すことからはじめると良いでしょう。
また、顔周りのむくみは肩こりなどが原因になることもあります。肩回りのストレッチなどで筋肉をほぐし、血流を良くするのもおすすめです。
すべてのことを取り入れることは難しい場合もありますが、まずは自分にできることから習慣化し、むくみが出てから解消するのではなく予防することを意識しましょう。